「路小雨 ル・シャオユー」という曲
複雑な理論、ハーモニー、リズムもよいが、そうした高度な音楽でなくても、人々を感動させることができる。ポピュラー音楽がそうした音楽の代表だろう。わたしはその中でも、最近の一番は、ジェイ・チョウの映画音楽である。
彼が主演し監督も務めた『言えない秘密』の映画音楽のできは素晴らしい。以前にも書いたが、今年も何度サウンド・トラックを聴いたことだろう。そんなかでも特に好きな曲は「路小雨 ル・シャオユー」という曲である。
この映画は、台湾版「時をかける少女」といった映画だが、その少女の名が「路小雨 ル・シャオユー」で、グイ・ルンメイが演じている。彼女のテーマ曲が「路小雨 ル・シャオユー」である。
”路”と”小雨”という漢字がまたよい。この感覚は、漢字文化圏の中国、台湾や日本人にしかわからない感覚だろう。映画の中でも大雨ではなく小雨の情景がいくつか含まれる。小雨の中での出会いがある。
この曲がよいのは、「ドレミファソラシド」しか使っていないことである。ピアノで言えば白鍵のみで弾かれる。複雑なハーモニーも一切ない。それなのになんと魅力的なメロディーだろう。この曲を聴くと、「路小雨 ル・シャオユー」という漢字とその台湾語の発音が響いてくる。優しく少し悲しい、爽やかな曲である。
ジェイ・チョウは今どうしているだろうか?
by kurarc | 2019-12-27 20:34 | music(音楽)