Ondeia 初源の唄へ ドゥルース・ポンテス

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ポルトガルの女性歌手ドゥルース・ポンテスの『O Primeiro Canto』を久しぶりに聴く。「初源の唄」といった意味だが、「火」、「水」、「大気」、「大地」の4つをテーマとしたCDである。ポルトガル滞在時に購入したので、もう20年前のCDとなる。

あっという間に彼女は様々な有名ミュージシャンと共演するようになった。エンニオ・モリコーネをはじめ、このCDでもウェイン・ショーターやジャッキス・モレレンバウムといったミュージシャンが何気なく参加している。ポスト・アマリア・ロドリゲスの歌手といってよいだろう。彼女の音楽はFadoから出発し、それを超える音楽へと向かっている。

最近、日本のポピュラーミュージック界は、歌唱力を求めなくなったこともあり、日本人で歌唱力を持っていながら、新しい唄を歌うような歌手にはなかなかお目にかかれなくなった。そうした状況では、海外のミュージシャンを聴くしかない。ドゥルース・ポンテスはすでに若手とは言えないが、その歌唱力は神がかっている。

このCDでは特に最後の「Ondeia」(ポルトガル語の動詞Ondearの3人称現在形、波立つといった意味)がよい。「水」をテーマとした唄。特に歌詞はない。彼女の魂のこもった歌声は激しい波のように揺れながら自由に奏でられる。1990年代には、彼女はよく来日していたが、最近ではすっかりお目にかかれなくなった。日本にいると、こうした本物の歌手の唄を無性に聴きたくなる。またの来日を期待したい。

by kurarc | 2020-01-03 23:38 | music(音楽)