宇宙から考えるデザイン

昨日取り上げた田中浩也氏の著書『SFを実現する 3Dプリンタの想像力』を読了した。

この著書の後半に、思いがけないデザインのフレームについての言及がなされていた。そもそも3Dプリンタは、自己複製という目標をかかげた技術であった。さらに、つくったものを組み立て、分解するという3Dアセンブラをも視野に入れている。また、つくるための素材のリサイクルも視野に入れていかなくてはならない。

これらの考えは、未来に宇宙空間で生活する人間を想定した技術である、ということがこの著書を読んで感じたことである。有限な宇宙空間のなかで、ものをつくるということは、つくり、廃棄し、また再生産するという素材の循環が必要になってくる。地球上でももちろん、有限性は意識されるようになったが、未だに廃棄を前提とした生産が行われている。それに対し、宇宙で生活することはより厳格な「有限性」を前提とした技術の開発が求められるだろう。

わたしは以前、宇宙に暮らせるようになっても、地球で暮らしていたい、ということをこのブログで書いたが、こうした考えは地球に甘えた考えであった。21世紀以降、地球と宇宙という境界自体を取り払わなくてはならないのである。地球ももはや有限の資源をどのように活用するのかが問われているのだから、それは、宇宙という領域からものづくりを発想するというように思考回路を切り替えていく必要があるということである。

地球も宇宙の中の一つだ、ということを視野に入れながら、デザインを発想しなければならなに時代に入ったということだろう。この著書から学んだ最も大きなフレーム、テーマであり、3Dプリンタ(将来は4Dプリンタ)が環境技術と密接につながっているということを自覚しておかなくてはならないということである。

by kurarc | 2020-02-16 21:14 | design(デザイン)