カエターノ・ヴェローゾ Pecado(罪)

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天気はよいが、今日は1日、家にこもりカエターノ・ヴェローゾの『FINA  ESTAMPA (粋な男)』を聴いている。このCDは、わたしの中でラテン音楽の古典となっているようなCDである。

このCDはすばらしい曲が数多く収録されているが、特に好きなのは "Pecado(罪)" だろうか。原曲と比較するとそのアレンジの差異には驚かされる。ジャッキス・モレレンバウムによるアレンジは、ポルトガル語でいう”suave (スワブ)”(心地よい、穏やかなの意)なアレンジであり、まったく別の音楽に生まれ変わっている。古典となっているようなタンゴの名曲を20世紀後半の音楽に生まれ変わらせているのである。

タンゴとは、クーバ(キューバ)から伝えられたダンサ・アバネラ(ダンサ・ハバネラ)、スペイン経由のタンゴ・エスパニョール、ヨーロッパからのポルカの流行がアルゼンチンで混血し、ボカ地域で生まれた音楽であるが、この"Pecado(罪)" は、さらにブラジルへと移入され、ボサノヴァのフィルターを通したモダンなタンゴに変化したような曲である。

わたしはまだ未見であるが、この『FINA  ESTAMPA (粋な男)』のライブDVDが発売されているし、ライブ盤CDも発売されている。このCDは、カエターノのスペイン語圏音楽への敬意を表現したものであり、より洗練された音楽として完成されているように思う。もしかしたら、ブラジル以外のスペイン語圏中南米諸国の人々は、本来はもっと泥臭い音楽なのだが、と思う人もいるかもしれない。わたしにはカエターノのフィルターを通したスペイン語圏音楽によって、ブラジル音楽以外の中南米音楽に興味を持つことができた記念すべきCDである。

*カエターノ・ヴェローゾ "Pecado(罪)" は、you tubeでライブ音源を聴くことができる。ジャッキスのチェロのアレンジが美しい。



by kurarc | 2020-03-20 14:54 | music(音楽)