ウイルスと都市

新型コロナ・ウイルスの感染が拡大する状況は、建築や都市を改めて見直す貴重な時間をつくってくれている。危機やカタストロフィは、日常のなかで見えなくなってしまった現象を明らかにしてくれるようだ。

イタリアやフランスのように都市の封鎖された現場をテレビなどで見ていると、都市は当たり前のことだが、人間の活動といかに密接に結びついているのかということを考えさせられる。また、日本の子供たちはテレビゲームなどが好きで、外に出たがらないことが多いように思っていたが、いざ、こうした封鎖のような状況になりわかったが、やはり、外で遊ぶという子供ながらの習慣は生き残っていて、部屋の中にこもるということがいかに精神衛生上つらいことか、現代の子供たちも感じていることが理解できたのである。

都市とは、人間という酸素を吸収し、また、それらを排出(人間が家に帰る)していくような往復運動(循環)として捉えられるということが、リアリティをもって感じられた。そして、一個の住宅(建築)が都市の中にある、ということがどのようなことなのか、それは、やはり都市と建築が不可分であり、その往復運動によって、お互いが活気を帯びる装置であり、メカニズムであるということである。

ニュートンが生きた17世紀後半、彼もまたペストを経験し、休学中の大学を離れて、故郷ウールスソープに帰り、その生活のなかで微分積分法や万有引力の概念を発見したという。これらはのちに「創造的休暇」と呼ばれることになった。疫病は、いつの時代も時代の転換期にやってくるようだ。このウイルスの後、どのような新しい時代に変化することになるのか、また、新しい時代を構築していくのかが問われることになるだろう。

*今回の新型コロナ・ウイルスとグローバル化された世界との関連が指摘されるが、実は、14世紀ペストの時代、すでに中国人、鄭和の大航海から、また、ユーラシア大陸の交易路開拓期からグローバル化は始まっていたのである。

by kurarc | 2020-03-30 20:34 | nature(自然)