金沢城 黒い隅柱について

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『武士の家計簿』という映画を観た。加賀藩の下級藩士で御算用者(会計処理役人)を務めた猪山直之の生涯を中心に描いたものである。そろばんを一日中はじいているという猪山の淡々とした職能人としての生活が描かれる。そうした生き方は息子である成之には耐え難かったが、明治になり、彼の生活、職に思いがけない幸をもたらすことになる。よい映画であった。

この映画の中にたびたび金沢城の菱櫓(上写真)の遠景が登場する。城の好きな方であれば、おやっと思うに違いない。隅柱が黒く塗られて露出しているのである。わたしもこうした城を見たことはない。防火の関係から、城において柱は漆喰で塗り込めてしまうのが常識であるが、ここ金沢では露出しているのである。(現在は、黒い金属で被覆しているようだ)

これはなぜなのか?高山右近について調べていると、これと同様のデザインは、京都の南蛮寺(1575年)にあるといのである。その建設に携わったのは右近であった。

金沢で右近の資料はほとんど手に入らないということだが、もしかしたら、こうした意匠を見た限り、彼は、金沢城の建設(再建)に関わっていたのではないか、と推測されているという。(『加賀百万石異聞 高山右近』(北國新聞社)より)

*この黒い隅柱は意匠上、垂直性を強調するためと思われるが、真の理由はわたしにはわからない。

by kurarc | 2020-04-16 14:58 | 金沢-Kanazawa