都市のなかで「座る」ことの意味

新型コロナウイルスの影響で都市の中から椅子が排除されている。都市のなかで「座る」という行為ができなくなっているのである。カフェやレストランの閉鎖、マクドナルドのテイクアウトのみの対応やビルの踊り場にあった椅子の撤去などがあちこちの都市で拡大している。都市へ出ることを控えなければならないが、そうした状況でも一服したくなることはある。それができないのである。

カフェとはコーヒーを楽しむスペースであるということが基本だが、その前に「座るという行為」を行うところである。都市のなかで人は遊歩だけで時間をつぶすことはできない。カフェに入り、「椅子に座り」本を読む、レストランや食堂で「座って」食事をするなど、都市に出るということは、家の外部に出て、なんらかの時間を過ごすために「座る」ことなのである。

都市の発生と「座ること」の成立はパラレルであるのかもしれない。つまり、椅子が普及しはじめたことが都市をつくったのかもしれない。このような考えは、こうした状況に遭遇しなければ考えつかなかっただろう。

それにしても、都市で生活するものにとって、椅子に座るということの重要性について改めて考えてみたくなった。

by kurarc | 2020-04-22 19:40 | design(デザイン)