五木寛之と金沢

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五木寛之さんが金沢にゆかりのある作家だと思い出し、彼の金沢関連の著作(古本)を買い求めた。そのなかに『五木寛之の金沢さんぽ』という著書がある。

40 年以上まえに書いた文章から現代までの文章を集めた著書。若い頃金沢に住むようになったのは、いわゆる引きこもりに近い状況だったということだが、五木さんが、民俗学のフィールドの著書を著すことになるのも、もちろん、九州生まれということはあるが、金沢での生活が大きく影響されていると感じた。

泉鏡花の影響や、白山信仰、北前船による文化の広がりなど、金沢周辺は民俗学の宝庫である。わたしも瞽女の文化に興味をもち、最近、上越上田を訪ねるなど裏日本の文化全般に興味をもつようになったが、それはわたしの祖父の生まれが飛騨高山であることに影響されているのかもしれない。遠い親戚はあの合掌造りで名高い白川郷の出身であると聞いている。山一つ向こうは石川県や富山県であり、このあたりの文化を身近に感じられるのかもしれない。

五木さんは金沢住まいの頃、本屋に立ち寄り、喫茶店に入っては本を読むような習慣であったようで、いまではなくなってしまった喫茶店の名前をこの著書であげている。少し前にこのブログで書いた予備校時代の金沢出身の学友にメモしてもらった喫茶店のリストのなかに「ローレンス」(下写真、HP「 おいしい金沢」より借用)という名前があったが、五木さんの著書のなかにも出てきて、この喫茶店はまだ健在であることを知った。

そうした喫茶店で五木さんはヴィラ=ローボスのブラジル風バッハをリクエストしたといった文章があり驚いた。五木さんもこうした曲を聴くのかという思いと、スペイン戦争に関連した小説なども書いていることもあり、イベリア半島の文化に詳しいようだし、中南米文化についても興味をもたれていることもわかった。

『五木寛之の金沢さんぽ』という著書は金沢へのよきガイドでありながら、五木さんの何気ない生活スタイルを教えてくれる。五木流エッセイであり、気軽に読めるのがよい。

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by kurarc | 2020-04-23 21:37 | 金沢-Kanazawa