『変わり者 ピッポ』を読む

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連休中に『変わり者 ピッポ』として翻訳された童話(絵本)の原書『Pippo the Fool』を読んだ。この英文の童話がどのように翻訳されているのか興味があり、本書を購入した。

こうした童話がどのように訳されているのかを検討するのは初めてのことであり、いろいろ勉強することが多い。実は、この原書を自ら翻訳したいと思い、読んだのだが、読み終わってからよくよくアマゾンを検索すると、すでに翻訳本が出版されていることを知り、がっかりしていたところである。

結論からいうと、こうした童話の翻訳はかなりの意訳であり、直訳からは程遠い作業であるということのようである。よって、ストーリーの全体を把握しながら、どのような言葉を選択するのか、そうした部分と全体を考慮しながら翻訳を進めている印象をもった。また、この絵本では、翻訳にあたり、イラストが重要なヒントになっただろうことも推測される。

たとえば、絵本最後に原文では「Bravo !」という言葉が3回連続して、職業の異なるものから発せられるのだが、この言葉をそれぞれ異なる意味に翻訳しているなど、プロの翻訳家の仕事だと思わされ、感心した。こうした訳し方をしてよいのか、ということは素人は気づかないし、わからない。とにかく、翻訳とはこういうものか、ということがよく理解できたので、原文を読んだことは無駄にはならなかった。

*この絵本で、ロレンツォという藝術家の描写がでてくるが、その靴とソックスの色が左右別々の色に描かれている。これは当時のかっこよい男たちのファッションであることをイラストを担当したポー・エストラーダが述べている。

by kurarc | 2020-05-10 10:29 | books(書物・本)