映画『ちはやふる』

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2年ほど前、かなり話題になった日本映画『ちはやふる』の上の句、下の句、結びと3本を鑑賞。原作は漫画で、かなり緻密に描かれているようだが、それとはまた違った魅力を映画で表現できたのではないか、と思わされた。

競技かるたをテーマとしてこれほど魅力的な映像とストーリーを組み立てられるのかという驚きとともに、日本映画は、こうした学校(学園)を舞台としたものに優れた映画が多いように思う。

百人一首のかるた遊びは小学生の頃、正月になると友達らと集まって楽しんだものだが、それ以降、まったくやらなくなった。日本的な遊び(スポーツ?)と言える競技かるたと現代の高校生の一瞬の輝きとしての時間をうまく表現したこの映画を観ていると、日本の言葉の豊かさに改めて気づかされたし、古典をもう一度学び直したい衝動にかられた。そして、この映画は、競技かるたについてだけでなく、高校生たちの友情、絆を同時に表現しているところが優れている。

映画の中で、「ちはやふる(ちはやぶる)」の意味を説明する場面がある。「ちはやふる」とは、たとえれば、静止しているように回転しているコマであるというのだ。スタティックな激しさを表現する言葉なのだという。今まで、この言葉にこんな意味があることなど考えたことはなかった。

この映画は、完璧な娯楽映画なのだが、それだけではない。映画の構成の仕方も見事で、3本それぞれの仕掛けも異なり、まったくあきることはなかった。学園もの映画の傑作と言えるだろう。

by kurarc | 2020-05-15 21:00 | cinema(映画)