古語辞典

手元に古語辞典がないことに気づき、購入することにした。(もちろん、古本でである。辞典は古本でもきれいなものが手に入り安い。)

驚いたことに、今時の古語辞典は、至れり尽くせりで、古典にあらわれる動植物や色、衣服の襲(かさね)の色目、服装、武具、鎧の縅(をどし)、輿車(よしゃ)、建築、調度、楽器、干支・方位、月齢等々が図解で掲載されていた。本文にはコラム記事も数多く、文法の解説も丁寧である。

英和辞典の進化、深化もめざましいが、古語辞典の方もこれだけ使いやすいものに変化していることに驚く。ことばとその意味だけを掲載するという従来の辞典を学生時代使っていた世代にとっては、あらゆる分野において、これほど学習しやすい環境が整ってきた時代はかつてないのではないか、ということに気づかされる。

たとえば、コラム記事の最初に、「愛敬(あいきょう、古典ではあいぎょう)」ということばが解説されていた。源氏物語では、光源氏を「愛敬のこぼれ出づるぞ」と形容しているという。これは、現代の「愛想のよい」という意味ではなく、「優美な魅力」を表すことばとして使用しているとのことである。

古語辞典は、収録語数も2万から4万程度で、非常にひきやすい語数であることにも改めて気づかされた。高校まであれほど古典を学習してきたにもかかわらず、それ以来、古文を読むような時間をまったく設けていなかった。それは、過去のことばに対する感性の欠落だろう。映画『ちはやふる』でそうしたことを気づかせてもらったのは幸運であった。今後は、古典の学習にも感性をひらいていくことを忘れないようにしたいと思っている。

by kurarc | 2020-05-17 09:52 | books(書物・本)