ジョニー・グリーンウッドの映画音楽 映画『PHANTOM THREAD』

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イギリスのロックバンド、レディオヘッドのギタリスト、ジョニー・グリーンウッドが映画音楽を手がけたという『PHANTOM THREAD』を観る。

この映画、今まで感じたことのないようなテイストの映画であった。ラブストーリーの映画であるが、ただの恋愛ではない。結論から言ってしまえば、大人の恋の映画である。単純ではない。複雑なのである。ある部分、不気味ではあるが、後味は悪くない。

そして、この複雑な映画にグリーンウッドの音楽が冴え渡っている。わたしはもっと電子楽器を使用した映画音楽を想定していたが、まったく異なり、アコースティック中心の音楽であった。彼はクラシックも作曲することを最近知ったが、その才能はこの映画音楽で証明されたといってよい。感情に訴えかけながら、それがもっと心の奥深い場所に届くような音楽なのである。情動と理性、その両面をもった音楽といったらよいだろうか。

グリーンウッドがこのような音楽をつくるとは驚きである。レディオヘッドの音楽(アルバム『OK COMPUTER』)がロックを超え、すでにクラシックになった?と言われるのもうなずける。彼らの音楽づくりにグリーンウッドが大きな影響を与えていることは確かだろう。映画監督であるポール・トーマス・アンダーソンにも興味を持った。グリーンウッドが映画音楽を担当したあと二つの映画、『THERE WILL BE BLOOD』、『THE MASTER』も観ることにしよう。

by kurarc | 2020-07-06 22:38 | music(音楽)