土の旅人 藤井一至著『土、地球最後のナゾ』

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土とはなにか?

土、わかりきったもののようで、まったくわかってなかったものであった。

タイトルの藤井一至著『土、地球最後のナゾ』は、地球上に存在する12種類の土への旅を通じ、様々な問題を顕在化させてくれる書物である。土とは、「岩の分解したものと死んだ動植物が混ざったもの」である。つまり、生物がいなければ土は生まれない。たとえば、月。アポロ11号のアームストロングが月に降り立った時、細かい粒子に驚いたのだが、これは土ではなかった。生物が確認されていないからである。それらはレゴリスと呼ばれ、土と区別される。月の砂は、玄武岩のような岩石が太陽の熱による膨張、および冷却を繰り返し、もろくなり、砂に変化したものなのである。

地球では、岩石は水、酸素、生物の働きにより分解(風化)し、土を生み出している。また、土は地球上の地域によって様々な色をもってもいる。日本人は土というと黒いものを想像する。しかし、アフリカ中央部の子供達は土を赤い色で描く。同様に、スウェーデンの子供達は白い色を想像する。日本の土は腐食が多いために黒くなりやすいのだという。

この書物、まだ読み始めたばかりだが、目から鱗が落ちる内容であり、興味が尽きない。21世紀、土は食物の栽培と密接に関わることから、わたしたちにとって最も重要な物質であることは間違いない。土の研究は食料問題を考える上で必須なのである。土というありふれた物質は21世紀における重要な主題の一つであることをこの書物から確信した。


by kurarc | 2020-08-20 21:31 | books(書物・本・メディア)