東大TV

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最近、You tubeをよく活用するようになった。音楽以外にも、映画、音楽理論、政治経済他、かなりの情報を得ることができる。(もちろん、番組の選択には注意を要する)その中で、「東大TV」という番組もあり、興味をもった。

東京大学の先生方やゲストらの講演、あるいは、オープンスクールでの高校生への模擬講義などが収録されている。今日はそのなかで、酒井邦嘉先生の『脳はどのように言葉を生み出すか』という高校生向けの講義を聴講した。

酒井先生は、安易に動物も言葉を使う、というような学者らの研究に疑問をなげかけていた。動物は単語を覚えることができても、それを文という構造に変換することは今のところできないとみなされているからである。よって、動物から人間を類推するような研究方法と、人そのものを対象として研究する方法に大きな差異があることを主張していた。

また、高校生に対して、やさしくだが、チョムスキーの生成文法の講義をされていた。6年ほど前、『統辞構造論』が岩波文庫から出版されたということだが、高校生にこうした本を読むことを勧めていた。チョムスキーによれば、すべての言語はツリー構造としてとらえられ、それらが、複雑に構造化(併合度を計測する)すればするほど、脳はより一層高度に働くことを要求されるようだ。

脳はどうも、入れ子構造になっていて、あることを考える場合、脳のどの部分で考えているのかというのは実はわからないらしい。あることを考えている脳はその奥で、またあることを考え・・・が無限に繰り返されているようなイメージのようだ。

この講義を真に受けて、チョムスキーの本を手に取った高校生はいるのだろうか。もしいたとしたらチョムスキーの正体を知ってびっくりするかもしれない。その政治的な発言を含めて理解しようものなら、彼は途方に暮れることになるからである。

by kurarc | 2020-09-19 20:14 | books(書物・本・メディア)