南仏セヴェンヌ地方 ラボーニュという造形

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南仏セヴェンヌ地方の牧畜文化、移牧文化を紹介するテレビ番組を観ていると、泉の周りを石で円形に取り囲む造形が現れた。

ラボーニュ(上写真、スペルは不明)という羊たちのための水飲み場であるという。泉に集まる羊は、泉の周りに石をひかないと、泉に土が紛れ込み、泉の機能を麻痺させてしまう。ラボーニュは、泉の周りに石を敷き詰め、泉を守るため、人工的につくられた造形であった。いわゆる、「建築家なしの建築」の典型である。こうした用からう生まれた造形には力がある。

実は、この造形を見て思い出したプールがある。ポルトガルの建築家、エドゥアルド・ソウト・デ・モウラが設計したポウザーダ・サンタ・マリア・デ・ボウロ(ポルトからバスで1時間ほど場所にあるポルトガル国営ホテル)内のプール(下写真)である。

卵型のプールの周りを大理石が囲み、芝生の見切りとしているが、初めてこのプールを見たとき、その造形力に感心した。彼はもちろん、ラボーニュというものを知らなかったと思うが、ラテン世界の根源的な造形力からこの二つの造形は導かれたのではないか、と思わせる事例である。

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by kurarc | 2020-10-13 13:07 | design(デザイン)