力をつけてきたノンフィクション作家たち

YouTubeのようなメディアが登場してきたこともあるが、最近、こうしたメディアの中で、ノンフィクション作家らが立ち上げるチャンネルが数多く配信されるようになった。その中には、ジャーナリストも多くいるが、世代をみると、ほぼわたしと同世代のものが主催している場合が多い。

テレビや新聞というメディアの信頼性が失われてきていることもあるが、大きなメディアでは伝えられない問題、事件について、新たに設けられたチャンネルで忖度なく伝えるという方向性のものが多い。また、以前、原発事故時に原発の危険性について指摘をしてきた小出裕章さんらのように、大きなメディアでは取り上げられなくなった方々を拾い出し、意見を聞くなど、メディアの偏りを正すような機能をもちはじめている。

その小出さんのインタビューを久しぶりに聞いたが、現在は、松本に居住し、自給自足に近い生活を行なっているという。小出さんによれば、たとえば、静岡の浜岡原発は、東海大地震が発生する震源地に近い位置にあるという。巨大な防波壁を築いているようだが、それがどれだけ有効に機能するのかはわからないという。また、福島では、原発時、福島から離れた住民たちを復興という名目で引き戻そうと躍起になっているという。それも、年1ミリシーベルトという基準の被曝量を棚上げにして。除染が完了したなどというのは幻想で、山の奥深くまで除染できるはずもないのである。

YouTubeのようなメディアが健全に機能する状況を維持しなくてはならないだろう。そのうち、こうしたメディアを胡散臭く思う連中が何らかの手段を用いて介入してくることは十分予想される。メディア(特に巨大メディア)の問題は今にはじまったことではないが、今後特に注視すべき問題の一つである。

ノンフィクション作家の中には、こうしたメディアの偏り、報道の偏向に対してしっかりと意義をとなえるものや、記者、ジャーナリストの中にも大手の会社を退職し、作家として自立し、真実を伝えようというものが目立つようになってきたことは好ましいことである。こうした状況から、今後、日本のジャーナリスム、政治、経済はどのような方向に転換していくのか、しっかりと凝視していかなくてはならないだろう。

by kurarc | 2020-11-03 08:26