斎藤兆史+上岡伸雄著 『英語達人読本 音読で味わう最高の英文』

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小説、特に英米文学は苦手である。先日取り上げた、タブッキやガルシア・マルケス、ボルヘス、カルヴィーノ、ジュリアン・グラッグなど相当興味のある作家でない限り、海外の小説や文学作品は読むことはない。それも、ほとんどがヨーロッパ(イギリスを除く)、あるいは中南米の作家である。

それではまずいと、買っておいた本書をこの休日中に通読した。とりあげられている作家は28名。そのうち、日本人でありながら、英文で書物を著した新渡戸稲造、岡倉覚三、鈴木大拙の3人が含まれている。この28名のうち、わたしがまともに読んだのは、ポール・オースターくらいであった。

小説や詩の中の一文(原文)が取り上げられ、その解説と訳、および、音声(CD)が付属している。まずは、解説を通読して、全体の流れをつかむことにした。最終的には、この中でとりあげられた小説の原文を読めるようにすることである。まず、重要と思われたのは、ラルフ・ウォルド・エマソン。「超絶主義」の中心人物であり、あのヘンリー・ディヴィッド・ソローに大きな影響を与えた人物である。神の存在を捉えるためには、書物に頼るのではなく、自然を通じて神と精神が交流できるとする超絶主義の実践者がソローであった。アメリカと自然を考えるとき、避けて通ることができない思想家であろう。

キャサリン・マンスフィールドの『園遊会』という短編小説も読んでみたいと思った。クライマックスに彼女の短命に終わった人生観が凝縮されているということだからである。原文を読みたいと思ったのは、ロバート・フロストの詩集『ニューハンプシャー』、F・スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』、アガサ・クリスティーのミステリー。また、V・S・ナイポールの『読み書き』は、旧植民地出身の作家の文学として興味深いので、これも読んでみたいと思った。

さらに、本書でとりあげられた日本人による3冊の書物、『武士道』、『茶の本』、『禅と日本文化』も英文の質がかなり異なるようなので、それらを比較しながら読んでみると面白そうである。特に、『武士道』は、カーライルばりの美文だといういうことなので、まずは『武士道』からがよさそうである。

by kurarc | 2020-11-03 21:41 | books(本(文庫・新書)・メディア)