建築家 乾久美子 『小さな風景と建築』講演聴講

建築家、乾久美子さんによる 『小さな風景と建築』と題された講演をYouTubeで聴講した。宮崎県の延岡駅周辺整備計画、及び釜石市唐丹小中学校の計画に関する講演であった。

結論から言うと、導き出された建築について、これほど論理的に説明できる建築家を久しぶりに目撃し、乾さんの力量に関心した。そして、導き出された建築は、かたちを一生懸命にデザインするような凡庸な建築家がやる方向性と異なり、二つの建築が公共性をもつ建築であったこともあるが、かたちのデザインではなく、様々な与条件から検討され、練り直され、導き出された形態に収束していることにも興味をもった。

講演の中で、ハーバーマスと花田達朗氏のダイヤグラムを引用し、建築家のポジションを明確にし、その中で、市民的公共圏といういわばアノニマスな建築空間を評価しながら、そうした領域に建築家としてアプローチできないか、という志向(思考)は非常に興味深かった。講演会で示された二つの建築は、公共圏というものに建築家がいかに回答を導いていくのか、そのプロセスを明確に示した実例といってよいものである。

この講演会で言及された彼女の建築の志向性は、今後、公共的な建築や空間を設計する場合、大きなの参照事例の一つになることは間違いないと思われる。(下写真 encross HP、及び新建築.onlineより借用)

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by kurarc | 2020-11-10 04:46 | architects(建築家たち)