文庫本

移転した事務所の中はいまだに片付かないが、今日は文庫本の整理を行った。文庫本の数はおよそ400冊。多くはないが、建築関係と音楽、映画、文学、科学、哲学、民俗学、その他に並べ替え、本棚に収めた。

引っ越しするとわかるが、文庫、新書はそれぞれほぼ大きさが等しいので、運搬しやすいし、その大きさも小さいからかさばらなくてよい。文庫や新書以外の本となると、大きさはバラバラ、重さも厚さも異なるため、整理に一苦労する。

PCの目の前の本棚に文庫スペースをつくったので、仕事をしながらいつも文庫の表題を眺めることになる。およそ奥行き30センチの本棚に文庫を奥から3列並べることにした。この場合、一番奥の表題は見えないことになってしまうので、奥にはすでに読んだ本や、現在あまり重要と思われない文庫を配置。一番手前は、横積みにして、中間の表題は見えるように配慮した。手前と中間の文庫本を自分にとってアクチュアルなものを並べることにする。

今年読んだ文庫本では、『ダイヤモンド広場』(マルセー・ルドゥレダ作、田澤耕訳)がもっとも印象深い。何と言っても、田澤氏の翻訳が優れているせいで、主人公のナタリア(あだ名はクルメタ(小鳩の意))が生き生きと感じられる。もしかしたら、原文のカタルーニャ語自体も生き生きとした書き方をしているのかもしれないが、稀に見る名訳だと思う。

文庫本で気になるのはその価格である。新品で1000円を超えるものが大半となっている。この価格で文庫本と言えるのかどうか?せいぜい800円以下に抑えてほしいものだ。(本音を言えばワンコイン500円くらいがよいが)わたしの場合、新品では高いこともあり、文庫本は古本を購入することが多い。

新年早々、文庫本で何を読むかまだ決めていない。泉鏡花、吉田健一、あるいはタブッキ、スタニスワフ・レム、安部公房あたりになりそうな気がしているが、どうなることか?新年も『ダイヤモンド広場』のような小説にまた巡り合えることを期待したい。





by kurarc | 2020-12-29 16:46 | books(本(文庫・新書)・メディア)