『中央線がなかったら見えてくる東京の古層』読了

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陣内秀信・三浦展編著『中央線がなかったら見えてくる東京の古層』読了した。以前、第4章のみ読んでいたが、今回、すべて通読した。

本書はタイトルの通り、東京西部を東から西へ直線上に横切る中央線をひとまず括弧に括り、中央線によって開発された新しい新市街ではなく、中央線が開通する以前の東京の古層に目を向け、フィールドワークを行なったものである。

陣内氏が興味深いことを述べている。イタリアのサルディーニャで調査した方法、体験をこの東京郊外で試したというのである。その調査は、湧水、遺跡、古道、聖域に注目するということだった。そしてその方法は、この東京郊外を調査するときにも有効であるということを発見したという。

本書は東京西部の古層の発見方法を提示した内容が中心だが、それからどのような都市計画、建築計画を導き出すのかまでの提案は行われていない。それらを考えるのは都市計画家、建築家の宿題となる。

本書によって、東京郊外(東京西部)は新たな様相を呈してくることは確かである。中央線によって支配された頭の中を一度消去して、地域の遺産を素直に読解していくことの重要性を本書から教えられた。



by kurarc | 2021-01-12 15:41 | 多摩(東京郊外)-Tama