建築家ルネ・クーロン もう一つのガラス建築の設計者

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1937年に開催されたパリ万国博は、建築関係者の間では坂倉準三設計による日本館が建設された万国博と記憶されている方々も多いに違いない。

その中で、日本のメディアにはあまり取り上げられていないと思われるが、ガラスを隅々まで使用した展示館が建設された。フランス、サンゴバン社の技術の粋を見せたサンゴバン館である。設計者はルネ・クーロン。工芸家のジャック・アドネとの共同でこの展示館をまとめたという。

わたしはこの建築を『サンゴバン ガラス・テクノロジーが支えた建築のイノベーション』(三宅理一監修+中島智章+前島美知子著)により知った。ガラスの建築といえば、ピエール・シャローのガラスの家(ダルザス邸)がよく知られているが、その竣工からおよそ5年後に建設されたサンゴバン館は、さらに徹底したガラスの使用により成立した建築である。タイトルを「もう一つのガラス建築・・・」としたのは、シャローのガラスの家があったからである。

シャローのガラスの家ではネヴァダ・ガラスを用いていたが、サンゴバン館は、ヴェリソリートというガラス・ブロック(BRIQUE VERISOLITH)が全面に使用された。形状は箱型を高温で接合した中空であり、ガラス自体は強化ガラスに変化した。軽く、強度が増し、透明性も向上した。建築の構造体は鉄筋コンクリート造で、外壁、屋根、床、天井などがすべてガラス・ブロックで仕上げられた。

クーロンは建築だけでなく、ラジエターや椅子(上写真)、さらに階段までも強化ガラスを用いてデザインすることを依頼されたという。この建築は、上記の著書に写真が掲載されているが、ネット上で画像を探しても見つけることができなかった。写真を見るかぎり、最近竣工した建築といっても通用するような斬新なデザインである。(以上、上記書籍より)

隠れた名作と言える建築だと思われるが、興味のある方は、『サンゴバン ガラス・テクノロジーが支えた建築のイノベーション』を参照いただきたい。

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by kurarc | 2021-01-18 22:12 | architects(建築家たち)