「ゴシック」に関するメモ

*『ゴシックとは何か 大聖堂の精神史』(酒井健著、ちくま学芸文庫)読了。 その中から気になる点をメモする。

*ゴシック様式建築の特徴は、昇高性(尖塔アーチ)、側壁の巨大な窓(ステンドグラス)、飛梁(フライングバットレス)だが、建築が都市の中、都市の中心に築かれたことも大きな特徴と考えられる。

*中世・・・大開墾時代になる。その中心的役割は修道士の農業技術、農法(三ぽ農法)により進展。この開墾により、たとえば14世紀、フランスでは以前の森林面積が全土の6割を占めていたものが、2割に減少した。大聖堂の中に自然との連帯を見出したいという欲求につながる。大聖堂内の装飾に影響。

*キリスト教化の過程で、キリスト教道徳と整合性をもっているものはそのまま取り入れ、背馳するものは、悪魔や悪徳の体現物に変えられて大聖堂の装飾に変えられた。(例:ガーゴイル、グリーンマン(葉人間)など)

*ポリフォニー音楽は、俗謡と捉えられていた。その俗謡を排除することは困難であったことからモノフォニー(グレゴリオ聖歌)だけでなく、ポリフォニー音楽を取り込んだ。

*当時、ゴシック大聖堂に都市住民のすべてが収容可能であった。(当時、礼拝用の椅子の設置はなかった)

*ルネサンスは反ゴシック。その中心はフィレンツエ(ミラノとの対抗意識)。たとえば、ブルネレッスキの建築の中にある側廊と身廊の高さの比、側廊の横幅との比など、ゴシックにはそうした比例は存在しなかった。必然的に上方への志向は減少した。遠近法という人間中心の視点の誕生。(ヨーロッパではゴシック的なるものと、古典主義的なるものが交互に反復して(あるいは同時共存して)現れる?)

*中世期の絵画・・・逆遠近法で描かれるものがある。中世期、画家は絵画の画面内に身をおき、そこを浮遊しながら製作。一方、ルネサンス期の画家は、絵画空間の外に身をおき、鑑賞者の視点で製作(遠近法との関連)。

*ゴシック・リヴァイヴァル・・・イギリスが先頭。中世期、サクソン人たちの王と貴族の対等な合議制が政治形態として実現されていたという神話の影響。
etc.


by kurarc | 2021-02-21 09:50 | fragment(断章・断片)