源氏物語の方へ

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最近読む本の中で、よく『源氏物語』に言及される箇所に出くわす。たとえば、『方丈記私記』(堀田善衛著)最後に、「対談 方丈記再読」があり、五木寛之と堀田が対談しているが、鴨長明が生きた時代は、その前時代に『源氏物語』が中世日本文学(現在は世界文学という範疇にも含まれる)の水準を上げ、鴨長明らの世代は、それに対抗できるくらいの水準の歌なり文学を創作しなければ認められないというプレッシャーがあったという。『源氏物語』がどれほどの文学の水準かはいまだに未読のため、わたしにはわからない。

また、以前から、『源氏物語』を読了した後に読もうと思い購入していた著書に、『源氏物語と東アジア世界』(河添房江著)がある。この著書は簡単に言えば、『源氏物語』を東アジアという世界の中に位置付け、考えるという内容であり、『源氏物語』が日本固有の文学であるという視点を括弧にくくり、東アジア世界との「ひと・もの・情報」という接点から誕生した文学であることを位置付けたものである(と思われる)。つまり、『源氏物語』を相対化し、アジアの中の世界文学という文脈で考えることの重要性を説いている(と思われる)。

以前、このブログで光源氏の住まい(架空の住まい)の復元模型を紹介した(2017/10/03のブログ)こともあったが、寝殿造りという建築形式にも興味がある。その空間の中で、どのような物語が紡ぎ出されたのか、もうそろそろ味合わなくてはならない時期に来たようである。

問題は、原典を読めないだろうから、誰の訳(謹訳や現代京ことば訳など様々な訳がある)を読むのかである。それも全10巻はある。プルーストの『失われた時を求めて』という超長編も気になるが、日本人としてはこちらを先に読むべきだろう。

*堀田善衛は、『源氏物語』をヨーロッパの同時代の物語と比べても、まったく比較にならないほどの水準の高さをもつ文学であると述べている。



by kurarc | 2021-03-08 18:51 | books(本(文庫・新書)・メディア)