沖縄古代の神観念 水平性と垂直性

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『教会の怪物たち ロマネスクの図像学』(尾形希和子著)を読んでいると、そのなかで、沖縄に言及する箇所があった。尾形さんは、沖縄の大学に赴任したためで、外間守善氏の講演を聞いたことが書かれていた。驚いたのは、「・・・海の彼方かやってくると考えられていた沖縄の神々が、のちに天から降りてくるものとみなされるようになった・・・」という記述があったことである。

海の彼方からやってくるという神観念はニライ・カナイと呼ばれることは知っていたが、天から降りてくるという神観念については初めて知った。外間守善著の『沖縄の歴史と文化』は持っていたが、その第2章、「沖縄の言語と文化」のなかの「神観念と世界観」にそのことが書かれていることを見落としていたのである。

外間氏は、沖縄古代の神観念を『おもろそうし』から3つ取り上げている。

1)ニライ・カナイ
2)アマミヤ・シネリア
3)オボツ・カグラ

の3つである。

この中の、3)が天上世界の神観念を表す。「オボツ」とは、「空也」とあらわされ、天上のことを意味するという。オボツは天上にある聖域であり、神の在所と信じられた。

但し、外間氏は、こうした神観念は、尚真王時代の中央集権と王権強化の時代を反映した神世界であると思われる、としている。天界の思想は沖縄固有のものではなく、中国の道教の影響や日本神道の高天原思想の影響を受けた知識人たちによって、王権強化の思想として育てられていったものらしい、とのことである。

by kurarc | 2021-03-14 20:06 | 沖縄-Okinawa