トイレについて

電車に乗っていると、わたしの前に来た二人の女子学生が志望大学について話しているのが聞こえてきた。大学のキャンパスを見学しに行った時、真っ先に見に行ったのはその大学のトイレ、と話していたことに興味を持った。やはり、女性は見るところが違うなと思ったし、女性にとってトイレは男性より重要な空間であるのだろうと想像した。

以前、大手建設会社のオフィスビル工事監理の仕事をしたときに、建設中の女子トイレに検査に入ったことがある。今時の高級なオフィスの女子トイレ内には、オフィスで働く女性専用の小さなロッカー(扉は25cm角くらいで奥行き30cm程度)がおよそ100個くらい設置してあり、そこに化粧品その他を収納できるように設計され、もちろん、鍵もかけられるようになっていた。こうした計らいは男子トイレにはないが、あと10年もしたら、男性用トイレにもこうしたスペースができるかもしれない。最近の男性は化粧が好きそうだからである。

鎌倉で設計した住宅で、L字型平面のトイレをデザインしたことがある。一方は大便器が、もう一方に小便器を設置した。お子さんが小さく男の子であるため、小便器で用を足せるようにとわざわざつくったものである。男性が大便器で用を足す(小便の方)のはあまり気持ちのいいものではない。これは男性にしかわからないことかもしれない。

事務所が狭いため、事務所のトイレに新書用の本棚を押し込んだ。およそ300冊あまりの新書を収納しているが、これがなかなか役に立っている。用をたす間、読書ができるし、その本棚を見ながら今度何を読もうかと想像をめぐらすこともできる。用をたす間に新書の並び替えなどをやり、頭の整理もできる。

クライアントの方からはトイレ内について、今まで多くの要望が出てきたことはないが、トイレというスペースを設計する場合、いろいろな可能性を考えるべき場所であるかもしれない。単に便器がおければよい、と考えることだけはやめておいた方がよさそうである。

by kurarc | 2021-03-31 22:19 | design(デザイン)