『デカローグ』上映 キェシロフスキー生誕80年

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先日、久しぶりに映画『ふたりのヴェロニカ』を見直したところだったが、イメージフォーラム前を通り過ぎたので、設置されたパンフレット置場をのぞくと、『デカローグ』のパンフレットがあることに気がついた。今年は、クシシュトフ・キェシロフスキー監督が生誕80周年、没後25周年だからであった。

10話からなる映画『デカローグ』はすべては観ていない。いつかはすべて観ようと思いながら、この映画を借りられるレンタル店がほとんどないために、まだ果たせていない。ちょうどよい機会なので、ここですべて観ておくのも良いかもしれない。

『トリコロール3部作』や特に『ふたりのヴェロニカ』は、2、3年に一度くらいは観たくなる映画である。特に、キェシロフスキー映画の中に出演するイレーヌ・ジャコブのファンであることもあるが、彼の映画をきっかけにポーランドに興味をもち、東京外語大学のポーランド映画講座にも通うことになった。外語大に通うポーランド人女学生にポーランド語も少しの間習ったが、あまりにも難しくものにはならなかった。

現在、ユダヤ人やユダヤ教ほかユダヤの文化に興味をもち、調べている。国民国家について考えていると、どいうしても行き当たるのはユダヤ人たちである。ユダヤ人は「国家を携帯可能にした」民族である。土地にしがみついて生きる日本人の感覚とはかけ離れた国家感をもつ民族と言える。国民国家というフレームが傾いてきた現在、ユダヤ人の感性や思考、思想など学んでおきたいと思ったのである。

ポーランドではポズナニ(ポズナン)、クラクフといった都市が、ユダヤ文化を知る上で重要な都市である。ユダヤ人たちは東欧において、イディッシュ語で「シュテットル」と呼ばれる小都市をつくりユダヤ人特有の社会構造を発達させた。(『ユダヤ人とユダヤ教』市川裕著より。「シュテットル」は「ゲットー」とは異なる。)ユダヤ文化を知るためにもポーランドは重要な国家である。きっと、キェシロフスキーにもユダヤ人、ユダヤ文化との接点はあったはずである。ポーランドを考える場合、常にユダヤ文化を頭の片隅に想起しておくべきで、そうした視点で、改めてキェシロフスキーの映画を観てみたいと思う。

by kurarc | 2021-04-11 22:02 | cinema(映画)