那覇、首里の井泉について

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沖縄に勤務していた1984年から1985年の間、那覇に存在する井泉について多く見学していなかったこともあり、今回は集中して歩き、見学してきた。当時はむしろ、那覇以外の地域のアノニマスな井泉を訪ねたことが多かったが、那覇、首里には建築的にみても興味深い井泉が数多く点在している。


井泉の形式は主に下記の通り5つある。

1)降り井(ウリカー):インドのステップウェルのような形式。階段状で下降した先に湧水、樋川があるタイプ

2)降り井式掘抜井戸:階段で降りていった先に井戸があるタイプ

3)湧泉:いわゆる湧き水のタイプ

4)樋川井(ヒージャーガー):石材で構築された垂直面から湧水が流れるタイプ

5)掘抜井戸:日本の井戸のようなタイプ


那覇に存在する井泉で最も建築的なものは佐司笠樋川(さしかさヒージャー、上写真)と思われる。今回は初めてこの樋川を訪れた。井泉の形式としては降り井(ウリカー)であるが、降りた先に樋川も存在する。また、下降する階段と井泉の軸線のズレや井泉の造形が3芯円のアール状に形作られ、デザインされた井泉のように見える。


今回は、その他、寒水川樋川(すんがーヒージャー、下写真)、宝口樋川(たからぐちヒージャー、最下写真)を見学した。幸い、どの樋川も戦前の石組みを残していると思われる。那覇、首里に点在する樋川は、その多くが現在も水が湧き出ている。


*過去のノートを調べていると、寒水川樋川、宝口樋川は1993年4月に訪れたときにすでに見学済みであった。

*以上、『沖縄県の信仰に関する建造物』(沖縄県教育委員会編、ロマン書房本店発行)参照。


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by kurarc | 2021-05-02 19:12 | 沖縄-Okinawa