テレマン 『パリ四重奏曲集』 バロックの音 その2

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懇意にしていただいているわたしの英語の先生であるI先生よりいただいたCD(上写真)の中に、テレマンのパリ四重奏曲集が含まれていた。初めて聴いたが、軽快なバロック音楽に魅了された。


わたしのような素人は、バロックというとすぐにバッハを想像してしまうが、これは改めなければならないようだ。岡田暁生著『西洋音楽史 「クラシックの黄昏」』によると、バッハはむしろバロックの中でも特殊であり、このテレマンをはじめ、ヘンデル、モンテヴェルディ、シュッツ、ブクステフーデ、スカルラッティ、クーナウ、コレッリなどを想起すべきなのである。こうした作曲家の音楽は、概してバッハの音楽より軽快であり、バロック音楽がもともと宮廷のBGM的音楽であったことを考えておかなければならない。さらに祝祭のための音楽が主であったのであり、花火大会、馬上試合、舞踏会、晩餐会、バレエやオペラとともに演奏された曲であったということも。


このテレマンの曲でもう一つ頭に入れておいた方がよいのは、通奏低音ということのようだ。バロックの時代には対位法から和声的な音楽へと変化していったということである。曲のなかでは、通奏低音として低音が音楽の土台をつくり、その上に旋律が重ねられるという曲への移行があった。よって、バロック音楽においては低音、現在でいえばベース音が非常に重要であったということらしい。ベース音の土台の上における旋律の自由な展開は、音楽に劇的なドラマを生み出すことを容易にした。これらが、バロック音楽の大きな特徴の一つであるということである。


テレマンのパリ四重奏曲は、第1番から第6番まで全部で37曲あるが、わたしは第4番の1曲目、プレリュード・・・が最も気に入った。また、Tokyo Baroque Trio+有田正弘(フラウト・トラベルソ)の演奏がすばらしい。今からおよそ30年前の録音になるが、若々しい演奏であり、真にバロック音楽を再現していると感じられる演奏である。


by kurarc | 2021-05-16 17:12 | music(音楽)