時計はなぜ右回りか? ブルーバックスの世界

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講談社が発行する「ブルーバックス」という科学を啓蒙するための新書シリーズが好きである。高校時代、山岳部の顧問の先生の一人が物理担当で、夏休みなど山に出かける時、ブルーバックスを携えるといいよ、と薦められ、それ以来、科学の入門書としてお世話になっている。


専門的な書籍を読む合間に、このブルーバックスをはさむと、硬くなった頭をほぐしてくれるのもよい。現在、『日本海 その深層で起こっていること』(蒲生俊敬(がもうとしたか)著)を読み始めたが、日本海が縁海としていかに貴重な海かということを知ることができる良書である。この著書のなかに、伊根の舟屋のことが登場するが、日本海は潮汐が非常に小さいという特徴からこの海辺の街の存在が説明されている。


講談社ではブルーバックスのHPもあり、素朴な科学的疑問のコラム記事などが掲載されていて、興味深い。たとえば、「時計はなぜ右回りか?」というような素朴な疑問である。わたしの手元にもすでにあるが、これは、『時計の科学』(織田一朗著)のなかのコラム欄に掲載されているものである。結論から言えば、初めて日時計がつくられたのはエジプトであり、北半球に位置していることから、日時計は右回りであり、機械式時計はそれを踏襲したということである。南半球の世界では日時計は左回りとなるが、南半球の世界でもそれに習い、左回りにしようとは思わなかったという。


1980年代に観た映画で『白い町で』(アラン・タネール監督)というリスボンを舞台にした名画がある。リスボンに興味のある人間には必見の映画だが、この映画で、左回りの時計が登場する。以前も、このブログで取り上げたが、日本でも昔、床屋の壁に掛けてあった。鏡に映り込むときに右回りになるような時計である。この映画を観た後、1995年、二度目にリスボンに訪れた時、リスボンで何気なく入ったバーの時計が左回りであったことに驚いたことがある。映画の影響か、古めかしいリスボンという都市ではよくあることだったのかわからない。1997年から2年ほどリスボンで過ごすことになったが、その間、左回りの時計を見かけたことは一度もない。


by kurarc | 2021-06-27 21:00 | books(本(文庫・新書)・メディア)