2冊の沖縄・先島染織本

2冊の沖縄・先島染織本_b0074416_20154234.jpg


沖縄の伝統工芸の中で、特に興味があるのは染織である。未だちゃんと学習したことはないので、まずはこの2冊で学習のとっかかりとすることにした。


1冊は、『清ら布』で「ちゅらぬぬ」と発音する。「ぬぬ」といった発音は沖縄らしい。沖縄では母音の「え」や「お」が抜けることが多いのである。こちらは本土復帰30周年を記念して開催された展覧会時に出版された冊子(図版)である。沖縄を代表する思想家である新川明さんが「発刊によせて」という文章を寄せている。先島と本島の染織が美しい写真とともに掲載され、最後に、用語解説、作家紹介があり、初学者にも配慮されている。


もう一冊は、『琉球布紀行』(澤地久枝著)である。自称「布ぐるい」という澤地さんは、琉球大学の聴講生としておよそ2年、沖縄に暮らし、戦後史を学習するかたわら、染織の作り手との交流を重ね、その成果が本書に結実したようである。


わたしは、初めて沖縄に暮らしたおよそ37年前、設計事務所の先輩Tさんと首里久場川町の紅型作家、藤村玲子さんの工房を訪ねたことがある。そのとき、何を話したのかはっきりと覚えていないが、フクギからつくられる黄色い染料をみせていただいたことは今でもはっきりと覚えている。上にあげた2冊のなかにも藤村さんの作品が掲載されていた。その後、染織への興味からすっかり遠ざかってしまったが、澤地さんの著作の中に、藤村さんの生い立ちが綴られていたため、彼女の紅型を理解するための手助けとなりそうである。


典型的な紅型の黄色の地に描かれる文様をみると、わたしはいつもポルトガルやスペインのタイル(特にポルトガルのアズレージョ)の色彩との類似性を想像する。紅型に南蛮文化の影響があったのかどうか、気になるところである。今月末、沖縄に行ったときには、可能な限り、こうした沖縄の伝統工芸にもふれたいと思っている。


P.S.

インターネットでわかったことだが、残念ながらすでに藤村さんは6年前にお亡くなりになっていた。わたしの手元に、藤村さんを訪ねた時にいただいた名刺があるが、その裏に「紅型の大家」と書いたわたしのメモが残っていた。

合掌


2冊の沖縄・先島染織本_b0074416_20200139.jpg


by kurarc | 2021-10-07 20:21 | 沖縄-Okinawa