イタリア 「記憶の日」

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イタリア文化会館のメールマガジンを受け取っているが、今日は、クレズマー(klezmer)に関するイベントの紹介の内容であった。イタリアでは、1945年、ソ連軍によってアウシュヴィッツ強制収容所が解放された1月27日を『記憶の日』と名付け、公式な記念日としているとのことで、それにちなみオンラインコンサートを行うとの情報であった。


クレズマーについては、このブログ(2015年5月27日)に『クレズマーの文化史』(黒田晴之著、人文書院)を紹介した。また、ポランスキーの映画『戦場のピアニスト』やその主人公シュピルマンについても書いた(2015年4月18日、19日)。クレズマーとは手短に言えば、東欧ユダヤ人(アシュケナージ)のポピュラー音楽である。


実は『クレズマーの文化史』を最後まで読んでいなかったが、改めてながめてみると、第7章にユダヤ人と笑いについて取り上がられていた。ユダヤ人の歴史を考えると、ホロコーストの事件もあり、悲惨なイメージから抜け出せないが、黒田氏はヴィクトール・E・フランクルの「経験者たちの露出趣味」という言葉を引用しながら、フランクルが悲惨さとは一線を画し、冷静な分析をしようとしたことを紹介している。その影響から、あえて「ユダヤ人の笑い」について取り上げるという問題提起を行なったのである。具体的には、ミッキー・カッツというミュージシャンであり、コメディアンの活動を取り上げているのだが、彼は日本のコメディアン、フランキー堺やトニー谷、さらにはクレイジー・キャッツの誕生に影響を与えていたのである。このあたり、後日詳しくブログで取り上げたいと思う。


また、クレズマーはジャズにも大きな影響を与えているという。特にガーシュイン、ベニーグッドマンらの音楽を通じてだというが、このあたりももう少し深掘りしてみたい。ジャズというとアフリカ音楽(黒人音楽)がまず頭に思い描かれるが、クレズマーがどのようにジャズに影響を及ぼしたのか、当面の宿題とすることにしたいと思う。


イタリア文化会館からのメールマガジンは、以上のように、知的好奇心をくすぐるよい刺激になっている。


by kurarc | 2022-01-11 19:53 | music(音楽)