セルジオ・メンデス 『Brasileiro』の” PIPOCA ”
ちょうどCDを整理しているとき、セルジオ・メンデスの『Brasileiro』というCDが目についたので、久しぶりに聴いてみた。グラミー賞を受賞したCDだけに、すべてが名曲揃いだが、この中で特に11曲目に収録されているエルメート・パスコアルの” PIPOCA "がよい。英文のライナーノーツにはブラジル・インストルメンタルの魔術師と紹介されているパスコアルのサンバで、通常2/4拍子のサンバが、3/4拍子で創作されている。
” PIPOCA ”とは、ブラジル・ポルトガル語で、多分、Musica da pipoca(はじけた音楽の意、Musicaの” u ”にアセント・アグードがつく)または、" Sanba da pipoca "(はじけたサンバの意)のpipocaの意味か、または、” pipoca ”でポップコーンの意味があるので、両方の意味を兼ねたタイトルの意図があるのかもしれない。3/4拍子ではあるが、2/4拍子にも聴こえるサンバは、歌詞のないインストルメンタルだが、その名の通り、はじけるような音楽で、これをブラスバンド用に編曲して演奏したら、さぞかし楽しい曲になりそうである。
「ナポリを見て死ね」という言葉があるが、わたしとしては「(リオの)カルナバルを見て」死にたいものである。
*セルジオ・メンデスによる名盤といわれるものの中に、現在『Alegria(アレグリア)』というタイトルで発売されているLPレコードがある。発売当初は『Horizonte Aberto(オリゾンチ アベルト)』というタイトルであった。CDになっていないため、残念ながらまだ聴けていない。(YouTube上でいくつかの曲は聴けるようである)
by kurarc | 2022-01-15 11:23 | music(音楽)