チャールズ・ダーウィンとミミズ


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進化論のダーウィンがミミズの研究をしていたことを最近知った。早速、その著作『ミミズによる腐植土の形成』(渡辺政隆訳)を手に取った。まだ、読み始めたばかりなので、まずは訳者の解説をかいつまんで紹介しておこう。(この著作は、ダーウィン最後の著作となる)

地質学者ダーウィンがミミズの研究をはじめたのは、彼の叔父で製陶業者のジョサイア・ウェッジウッド2世の邸宅の庭での会話がきっかけであった。この叔父はダーウィンに庭の表面にまいた石灰などが数年して粘土混じりの土に変化していることをミミズの仕業だとダーウィンに話した。ダーウィンにこんな些細なことは興味がないだろうが、と語ったというのだが、ダーウィンはそれに対して、そんなことはありませんよ、と答えたという。そうした何げない会話から、ダーウィンはミミズに興味をもったというのである。それから40年にもわたりダーウィンはロンドン郊外ダウン村の通称ダウンハウスで、ミミズ(オウシュウツリミミズという大型のミミズ)の研究を家族、親族ぐるみで研究することになる。

庭にはミミズ石といって、芝生の上に円盤状の石を置き、中央の穴に鉄棒が地中深く打ち込まれた装置をつくった。ミミズが地中を耕すと円盤は沈むが、鉄棒は沈まない。その高さを測定して、ミミズの「仕事」を計算した。ミミズはほぼすべての落ち葉を食べ、選り好みをすることはほとんどないという。普通、昆虫は食草が限られているが、高濃度のポリフェノールを含むものでない限り、ミミズには問題ないらしい。

海中でサンゴ虫が石灰を分泌し、サンゴ礁を形成するように、ミミズが地上の土壌で行う行為は、土を腐植土に変化させる行為である。ミミズとは「大地のエンジニア」と呼ばれるにふさわしい。地球の温暖化による海水温の上昇が、サンゴ虫を死滅させるように、ミミズの活動も気温や降水量に大きく左右されるというから、今後、土壌にどのような影響が及ぼされるのか危惧される。

このような身近な虫に興味をもったダーウィンの感性は20世紀、あるいは21世紀人に必要な感性を先取りしていたと言えるのではないだろうか。ダーウィンの行った研究、および彼の感性に益々興味が湧いてきた。



by kurarc | 2022-02-07 16:37 | books(本(文庫・新書)・メディア)