日仏会館・フランス国立日本研究所発行 『Ebisu』という雑誌


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日仏会館・フランス国立日本研究所で、『Ebisu-日本研究(論文)』という雑誌が発行されている。最新号は『鏡の映画たち:日本映画の40年(1980年〜2020年)』というタイトルで、日本映画の40年を振り返った特集を組んでいる。この特集に関連して、アテネ・フランセ文化センターで週末から8本の日本映画が選定され、映画祭(トークを含む)が開催される。

『Ebisu』という雑誌を最近知ったのだが、この雑誌はいろいろと利用価値が高い。まず、雑誌内の論文はフランス語で書かれているが、主要な論文には要旨(アブストラクト)があり、日本語、英語に変換できるようになっている。よって、フランス語、日本語、英語を比較でき、語学の学習ができる。また、最近の翻訳ソフトを利用すれば、難解なフランス人研究者の論文も読解できるから、フランス人の日本文化研究者が現在、どのような日本の事象に興味があるのかがわかる。

雑誌の構成はフランス人の編集らしく明快である。タイトル、論文の要旨、キーワードがあり、論文へと続く。論文は段落ごとに番号が振られ、わかりやすく編集されている。

下に、メールマガジンにより送付された内容のコピーを貼り付けておく。フランス人研究者がどのような日本映画を選定し、それによって何を読み解こうとしているのか、およそ見当がつくと思う。

*『Ebisu』は、日仏会館・フランス国立日本研究所のHP内で閲覧できる。

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日仏会館・フランス国立日本研究所発行の雑誌『Ebisu』2022年59号は「鏡の映画たち:日本映画の40年(1980年〜2020年)」をテーマにフランスをはじめ、気鋭の外国人研究者たちが寄稿しています。本号発刊を記念し、世界、フランスの視点から1980年代から現在までの日本映画を考察すべく、日仏の映画研究者、そして塩田明彦、富田克也、相澤虎之助ら日本映画を担う優れた監督、脚本家を迎えた講演会、ディスカッション、そして関連作品の上映を開催します。

「1980年頃、映画界は20年前に始まった変化の過程を終えました。つまり映画界を構成していたスタジオシステムは崩壊し、新しい俳優たちや、新しい体制へと移行してきました。しかしながら、この時代の映画作家は奇妙なパラドックスの犠牲者と言えるでしょう。たしかにビデオやデジタルツール、データベースやインターネットが普及した現在、彼らの作品は先験的に前例のない可視性を享受しています。しかし海外での理解はまだ断片的であり、その論理や問題意識を理解するのは容易くありません。『Ebisu』2022年4月号では、日本映画の過去40年間を2部構成で再考することを提案しています。第1部では、この「ポストスタジオ」時代における製作、配給、創造の様式とその進化を考察し、第2部では、映画批評において重要な存在である蓮實重彥氏に焦点を当てています。」
マチュー・カペル

上映作品(製作年代順)
『江戸川乱歩の陰獣』加藤泰(1977/35㎜/117min.)
『皇帝のいない八月』山本薩夫(1978/35㎜/140min.)
『ラブホテル』相米慎二(1985/35㎜/88min.)
『愛について、東京』柳町光男(1993/35㎜(英語字幕版)/113min.)
『鏡の女たち』吉田喜重(2002/35㎜/129min.)
『カナリア』塩田明彦(2004/35㎜/132min.)
『パンク侍、斬られて候』石井岳龍(2019/DCP/131min.)
『典座―TENZO』富田克也(2019/60min.)ほか

登壇者 (アルファベット順)
相澤虎之助(脚本家・映画監督)
マチュー・カペル(映画研究者/東京大学准教授)
ファビアン・カルパントラ(映画研究者/横浜国立大学准教授)
ディミトリ・イアンニ(映画研究者/「キノタヨ映画祭」選考委員長)
木下千花(映画研究者/京都大学教授)
塩田明彦(映画監督)
富田克也(映画監督)
横田ラファエル(映画研究者/国立東洋文化学院博士課程)
司会:坂本安美(アンスティチュ・フランセ日本映画プログラム主任)



by kurarc | 2022-06-09 23:52 | cinema(映画)