三鷹 大沢の里 水車経営農家から調布飛行場へ


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今日は久しぶりに、三鷹市大沢にある水車経営農家(新車(しんぐるま)と呼ばれる水車が保存されている。上写真)を訪ねた。これで3度目の訪問になる。三鷹市を流れる野川沿いに保存された水車経営農家であり、現在においても杵などが稼動でき、玄米を白米にすることもできる状態で維持されている。水輪はクラウドハンティングにより集められた資金を活用して、昨年3月に付け替えられた。素材の赤松は国際基督教大学から寄贈されたものを使用したという。

少し前のブログ(2022/07/14のブログ)で取り上げたように、来年1月まで、この農家に残された農具(民具)の形態と機能について考える講座を受講している。その宿題のために今日は訪れた。この講座は、各回に必ず宿題が出て、毎回提出することが求められる。

改めて水車を近くで観察してきたが、そのつくりの緻密さには驚かされた。基本的には日本建築でいうと、伝統構法のディテールを思わせるつくりでできており、摩耗するようなパーツはその部分だけ交換できるようにつくられている。驚くのはそのメカニズムである。水力で回転する水車(水輪)に様々な歯車(万力という)が取り付けられ、杵の上下運動、粉の昇降運動、篩(ふるい)の水平運動など多様な運動が連動して行われるようになっているのだ。こうしたメカニズムは、レオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチにも見受けられるが、そうしたレオナルドのスケッチを実物で観察できるような施設なのである。
*『ダ・ヴィンチ 天才の仕事』(ドメニコ・ロレンツァ、マリオ・ダッティ、エドアルド・ザノン共著、二見書房)で、レオナルドのスケッチ32枚をもとに復元したCGを見ることができる。

こうした水車の機構がどのように日本にもたらされ、発達したのか興味深いが、それは今後調べることにしたい。起原はかなり古いと思われる。多分古代には何らかの歯車の仕組みがシルクロードなどを通じて輸入されていたのではないかと予想される。また、このメカニズムがほぼ手造りであり、自然素材(木材)でつくられていることにも驚かされる。これで発電までできれば自立した住宅システムにもなるような機構であると言える。産業考古学の分野になると思うが、これからゆっくりと調べていきたいと思う。

今日は、ここから歩いて10分ほどのところに位置する調布飛行場にも足を伸ばした。飛行場内にあるプロペラカフェで昼食をとりたいと思ったからである。このプロペラカフェはいわゆる穴場のカフェであまり知られてはいないと思われる。飛行場の発着エリアとは別にあり、入場時には検問所で名前や連絡先の記入が求められる。カフェへ入ると、2組の家族がランチを食べている程度で、空いていた。メニューは洋食系で、わたしはオムハヤシを食べたが、味は良かった。オススメできるカフェである。カフェは格納庫が隣接するため、そこに保管されてあったプロペラ機を写真に納めてきた。(下写真)こうした飛行機を近くで観察することはなかなかできないので、貴重な体験となった。



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by kurarc | 2022-07-30 19:23 | 三鷹-Mitaka