Madredeus 『o esprito da paz』



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1990年代、日本でもMadredeus(マドレデウス)というポルトガルのグループの音楽がコマーシャルからも流れたことがあった。現在は当時とは異なるメンバーで活躍されているようだが、やはり、全盛期はこの1990年代から 2000年初期までの頃であると思う。

久しぶりに彼らのCD、『o esprito da paz』(ウ エスピリート ダ パシュ、piのiにアクセント記号(アセントアグード)がつく)を聴いた。日本では『陽光と静寂』というタイトルで販売されたが、原題は直訳だと『平和の精神』といった訳になるが、意訳すると『平和へ』くらいの意味の感じになると思う。

このCDは、わたしの中では、Madredeusの中で最も優れたできのCDであると思っていて、特に「O Mar」(ウ マール、海の意)という曲が大好きである。CDは1994年、ロンドンで録音されているが、原題からも想像できるように、ユーゴスラヴィア内戦を背景としたCDではないかと勝手に想像している。曲の中には、「戦士たち」というタイトルの曲もあり、平和から遠ざかってしまった世界を嘆く様が描かれている。つまり、このCDは現在のウクライナのような状況の中で聴くにふさわしいCDなのである。

Madredeusの音楽の特徴は、日本人が歌といって想像するものとは異なり、「詩」に曲がつき、それを「語る」ような感覚の音楽といったらよいだろうか。とにかく、「詩」とそれに付随した「曲」の美しさに驚かされる。「美しい」音楽なのである。ジャケット(上写真)を見るとわかるように、彼らは荒野の中を歩きながら、こうした音楽を届ける旅芸人のようである。

現在、リーダーのペドロ・アイレス・マガリャンエスはこのCDのようなコンセプトの音楽性からは離れてしまったようだが、また戻ってきてほしい気がしている。

*日本ではほぼ紹介されていないが、ペドロ・アイレス・マガリャンエスが関わったCDでは、Ne landeiras(ネ・ランデイラス)の『SONHO AZUL』(ソーニョ アズール、青い夢の意)がよいできである。


by kurarc | 2022-08-07 21:03 | Portugal(ポルトガル)