恩師からのメール


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英文学を専門とする恩師からたまにメールをいただく。近況報告を兼ねてのメールでもあり、かつての研究論文のコピーをpdfで送付してくれる。今回は、ロレンス・ダレルに関する論文であった。恥ずかしながら、わたしはダレルの小説は読んだことがなく、ついて行けなかった。恩師が言うには、ロレンス・ダレルの『アレクサンドリア四重奏』は面白い小説なので是非読むようにとのことであった。全4巻、「ジュスティーヌ」、「バルタザール」、「マウントオリーブ」、「クレア」で、河出書房新社から高松雄一訳で読めるようである。最近読んだ長編小説は『百年の孤独』、『シルトの岸辺』くらいで、それでも1冊である。この『アレクサンドリア四重奏』は相当ハードルが高い。

恩師のメールには、今回は珍しくお勧めの映画が数多く記載されていた。その中で、早速、『アイヒマンを追え! ナチスが最も畏れた男』を観た。ナチスの戦犯アドルフ・アイヒマンが逮捕されるまでのドイツ検事フリッツ・バウアーの執念と苦悩を描いた映画である。この映画で気づいたことだが、戦後のドイツには捜査機関の中に、ナチスの残党が巣食っていたということである。よって、ドイツ内では解決できないと判断したバウアーは、イスラエルの諜報機関と接触し、アイヒマンの逮捕にこぎつけることになる。

その他、映画だけでなく、イギリスBBCのドラマから韓国ドラマ(時代劇)まで幅広く紹介いただいた。韓国のドラマは観たことはないが、特にイ・ビョンフン演出のドラマは出来が良いようである。今年の秋の夜長には韓国ドラマを楽しむことにしようと思っている。

柄谷行人は修士論文をロレンス・ダレルの『アレクサンドリア四重奏』をテーマとして書いているようである。こちらも気になる。『柄谷行人初期論文集』で読めるようなので、『アレクサンドリア四重奏』読了後に読んでみたいと思う。

by kurarc | 2022-09-18 23:06 | books(本(文庫・新書)・メディア)