現実は実物大の模型なのか? 本城直季写真集 『small planet』

本城直季さんの写真集「small planet」は、現実の風景を鳥瞰した視点から写すことで、あたかも模型でつくられたかのようにみえる写真を集めたものです。ひとつひとつが現実の風景であることを観ているうちにすっかり忘れてしまい、いつのまにか、かわいらしい模型を俯瞰しているような感覚になる不思議な写真集です。
いったいどのような手法でこのような効果が生まれるのかわかりませんが、たとえば、東京タワーのような場所から俯瞰したときにみえる都市の事物を、玩具(オモチャ)のように感じたことは誰でもあると思うのですが、そのような経験を写真に表現しているといえばよいのでしょうか。
現実の風景が俯瞰という視点をあたえた途端、全くちがったものにみえてくるという驚きは、最近では、グーグル・アースによって経験したばかりですが、本城さんの写真集を眺めながら、建築に携わるものとして興味深いことは、我々は、実物大の模型をつくっている?かのような錯覚を感じてしまうということ。
現在、写真展がひらかれているようなので、実物を観てみようと思います。
現実は実物大の模型なのか? 本城直季写真集 『small planet』_b0074416_2243150.jpg

by kurarc | 2006-06-01 20:47 | art