ラルフ・タウナー 『Time Line』を聴く

ラルフ・タウナー 『Time   Line』を聴く_b0074416_14384098.jpg欧米には、自作自演で高度な音楽を演奏するミュージシャンが数多くいます。アコースティックギターでといえば、ラルフ・タウナーの名前がまず挙げられるのではないでしょうか。最近出したCD『Time Line』を聴くと、今まで12弦ギターをメインとしていたソロアルバムから、6弦ギター、いわゆるクラッシックギターを中心としたソロアルバムの構成になり、曲もクラシックギター曲といってもよいような曲が演奏されています。
彼の出発点が、アメリカ人でありながら、ウィーンでクラシックギターを学んでいるので、原点に帰ることを意識したCDと言えるかもしれません。2曲目の『Oleander Etude』は、エイトール・ヴィラ=ロボスのエチュードを思わせるような小品。『Five Glimpses』は、スペイン調の曲や過去の自分のフレーズなどが展開する即興性の高い曲、最後の3曲は、ビル・エヴァンスのレパートリーを含むジャズ調の曲と多面的に楽しめるCDになっています。
26年前に出した12弦ギターを中心とした『Solo Concert』と比べて聴くと、ソロアルバムのスタンスの違いがはっきりします。この『Solo Concert』の中で、マイルス・ディビスの曲『Nardis』をクラシックギター1本で弾いた演奏は圧巻。

by kurarc | 2006-06-24 15:06 | music