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中谷礼仁氏パネルディスカッション > 新潟県新発田 から山形へ

この連休を挟んだ週末から週明けにかけて、先週同様あわただしい日々を過ごした。

まず21日(金)は、中谷礼仁氏によるパネルデイスカッションを池袋にて行う。私は進行役として参加させていただいた。中谷氏による『セヴェラルネス 事物連鎖と人間』の第1章を中心に布野修司先生を交えながら議論をかわした。
第1章は中谷氏による桂離宮の新たな読解の試み(それだけではないが)であり、「夜の桂離宮」を踏まえた桂の道行き論、さらに桂の寝殿造り内包論について展開してくれた。桂には月見台があるため、おぼろげながら夜の桂については想像していたのだが、中谷氏は往事の桂の道行きを読解し、そこにブルーノ・タウトや丹下健三をはじめとする「昭和の道行き」による桂の認識にメスを入れ、桂の意匠と道行き(時間)と空間が一体となっていることを証明してくれた。いわば平成の桂離宮論である。
(タウトによる桂離宮神話は、中谷氏による論考を踏まえると二重の意味で神話化されていたことになる。)

24日からは、新潟県新発田(しばた)に行き、JIAの保存問題委員会の今年度の新潟大会打ち合わせに参加した。新発田はアントニン・レーモンドの設計した教会があることで有名な街である。JIA新潟地域会の方々と午後から新発田を散策。清水園の庭園は茶人田中泰阿弥によるすばらしい庭園であった。田中は銀閣寺の清泉の石組み発掘復元を手掛けた庭師として著名とのこと。また、石泉荘という旧料亭は、庭に新発田川を取り込んだ数寄屋建築で、日本の環境建築といえる優雅な風情の感じられる建築空間であった。レーモンドの新発田カトリック教会は、まさに圧巻という建築。丸太の自由な構造フレームは力強く、どっしりと新発田の街に腰をすえた建築であった。これらの建築群が今後新発田の街の中でどのように保存、維持され、市民に有効に活用されていくのか保存問題大会での課題の一つとなりそう。

24日は新発田泊。翌日25日はせっかくの新潟行きの機会に山形まで足を伸ばし、朝日相扶製作所という家具工場の見学をしてきた。この工場の特徴はネームレス・ブランドであるということ。つまり、オリジナルブランドを持たず、つくることに徹した工場で、たとえばデザイナーの川上元美氏のチェアーの多くはこの工場でつくられていることを知った。手加工よりも機械加工に突出した工場で、NCルーターによる自由な曲線加工などコンピューターを利用したハイテクな加工を得意とした工場である。朝日相扶製作所の社長である阿部様ともお会いし、将来世界の家具づくりに参加したいという意気込みをお聞きした。夕方5時過ぎまで案内していただいた営業の林様も非常に丁寧に応対していただき、工場の作業内容をよく理解できた。

工場見学後東京へ帰る予定だったのだが、山形の旧済生館などの擬洋風建築を見学したくなり、もう一泊することに。山形の話はまた次回のブログに譲ることにしたい。
(写真は上から中谷礼仁氏、および布野修司氏(右)、写真次は新発田カトリック教会全景。前庭にあった樹木は道路が通るために伐採された。写真その次は新発田カトリック教会内部丸太架構。写真最後は朝日相扶製作所内NCルーター加工現場。)
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by kurarc | 2007-09-26 19:45 | archi-works
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