秩父のカエデ糖

たまに買ってしまう「ダンチュウ」という食の雑誌に、秩父のカエデ糖の話が載っていた。カエデ糖とはいわゆるメープルシロップのことで、秩父のカエデから採取した樹液を煮詰めてつくったものを「カエデ糖」と命名した。

甘いものが好きなので、家の冷蔵庫にはかならずメープルシロップは常備してあるのだが、まさか日本で採取できるとは思ってもみなかった。秩父には24種類ものカエデが自生していて、これらの樹種を混ぜて樹液をとり、カエデ糖をつくっているという。カエデ糖はカナダ産メープルシロップに比べ、カルシウムが二倍、カリウムが三倍含まれるそうだ。

地元秩父ではこれらのカエデ糖を和菓子に使用し、新しい和菓子を開発している。このカエデ糖を使う前に発足された「お菓子な郷推進協議会」の目的は、地域性のあるお菓子づくりだったが、県外ではお菓子が売れず、登山客がカエデの樹液を飲み物にしていることに目をつけたのがカエデ糖を使うきっかけだったという。その後、山にカエデの植林する事業もはじめたとのこと。樹液がとれるようになるまでには20年かかるそうだが、このような自然を相手にした地域興しは、21世紀らしいビジネスモデルと言えるのではないだろうか。

by kurarc | 2008-04-10 19:47 | nature