東京MA-House模型写真

東京MA-Houseがいよいよ着工する。

クライアントの方から初めに言われたことは、吉村順三さんが設計した「井の頭の家」のような住宅にしたいということ。
その真意を私なりにヒューマンなスケールと陰影のある住宅と解釈した。「井の頭の家」を観ると、大袈裟なリビングがあるわけではなく、吹き抜けも必要最小限のスペースであり、天井にはラワンベニアを使用するなど衒いがみあたらない質素な住宅という印象を受ける。

東京MA-Houseではそうしたコンセプトを受け継ぎ、部屋の大きさの基本単位を12畳に設定。12畳のDK、12畳のリビング、12畳の子ども部屋(一部スリット状の吹き抜けあり)がこの住宅の基本の単位とした。12畳というスケールは、家族4人(夫婦+子ども2人)が慎ましく暮らすのにふさわしいスケールであり、間の抜けたスケールではなく、かといって小ささを感じさせないスケール。そんな基本単位を考えながら、1階では中庭を挟んで二つの12畳間を配置し、広がりを持たせている。
また、1階DKとその上部の子供室はスリット状の吹き抜けで連続している。このスリッドは子どもとのコミュニケーションの装置となると共に、光と熱をコントロールするためのスリッドとして計画されている。

今後、適宜この東京MA-Houseの施工過程をブログで公開していく予定です。

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by kurarc | 2008-06-26 22:25 | 東京MA-House