2019年 02月 11日 ( 1 )

上越市高田 雁木という「都市の建築」 瞽女の風景



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上越市高田を訪れた。修士論文で取り上げたブルーノ・タウトが、日本に滞在中、冬にわざわざ秋田の横手を訪れ「かまくら」を見学に行ったことを彼の日記で知った。戦前、交通も不便であったであろう時期に真冬の秋田を訪れたタウトの心意気に感心した。建築を見に行くにはどうしてもこの時期に行かなくてはならないということもある。

高田に存在する雁木を見学するのは冬の雪の降る時期でなくてはならないとずっと思っていた。この時期でしかないと思い、この連休中に出かけることにした。それだけではもちろんない。幸運にも、興味を持っていた瞽女門付け風景の再現イベントもあり、かつ、高田には以前から行きたかった最古級の映画館、高田世界館まであるからである。

まずは雁木の街並みを歩いて、高田小町(イベント会場、町家を保存活用した建築物)へ向かう。北国の雪は東京で経験するぼた雪とは異なり、軽く舞い上がって降いていて美しい。雪の降る美しさ、雪国の風景の美しさを久しぶりに経験した。午後13時20分からいよいよ瞽女のイベントがはじまった。先頭で三味線を弾き、瞽女唄を歌うのは月岡祐紀子さんという東京生まれの三味線奏者の方である。雪の降る中、瞽女がめぐったようにいくつかの商家をめぐりながら瞽女唄を披露していく。彼女たちはもちろん盲女ではないが、瞽女の体験をトレースすることで、瞽女の記憶を蘇らせ、再現保存していることになる。

短い時間であったが、高田の旅は密度の濃いものであった。書くことが山ほどありすぎるので、また日を改めてふれることにしたいが、雁木というイタリアのボローニャに存在するような都市の装置(イタリアではポルティコと呼ばれる。ボローニャは、雪よけという機能、装置ではない。)が豪雪を凌ぐ工夫としてこの日本でも存在することに感心するとともに、それが「都市の建築」として個々の建築の連続としてつくり続けられていることに驚きを隠せない。

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*「都市の建築」と括弧書きしているのは、イタリアの建築家、アルド・ロッシの著書『都市の建築』を類推させるためである。ロッシの言う「都市的創成物」としての建築を高田の雁木にみたからである。



by kurarc | 2019-02-11 21:06 | archi-works