ポール・オースター作 『幽霊たち』

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ポール・オースターを知ったのはおよそ20年ほど前である。わたしがリスボンに住んでいたとき、街の書店に入るとオースターの書籍が並んでいた。売っているのはポルトガル語版だから買ったりはしなかったが、流行りの作家なのだろうと思った。

小説は基本的に好んで読む方ではないが、3年ほど前、ガルシア・マルケスやジュリアン・グラックなどの小説を読み始めて、また興味が湧いてきた。年末の大晦日、ポール・オースター作『幽霊たち』を一気に読んで、年を越した。

どこかの推薦図書として掲載されていたように思ったが、どこで読んだのか思い出せない。その記憶があり、たまたま本屋で視界に入ってきたので、買い求めた。オースターのニューヨーク3部作の1つ。今までに読んだことのないような小説であった。

この小説が興味深いのは、そのストーリーの速度感である。初めはゆっくりと話が進み、小説の内容も素人が書いているのでは、といった稚拙さが感じられるが、終わりにはその速度感が10倍くらいに感じられ、いつの間にか迷宮に入り込み、オースターの手腕を思い知らされる。そして、煙に巻かれたように終わりを迎える。1980年代に書かれた小説のようだが、ここには1980年代に書かれるべくして書かれたと思わせる小説におけるポスト・モダンとも言える世界が表現されているように感じられた。

まずは3部作の残り2つ、『ガラスの街』と『鍵のかかった部屋』を読んでオースターの世界を楽しみたい。

*小林康夫著、『若い人のための10冊の本』(ちくまプリマー新書)の中の1冊に本書が取り上げられている。

by kurarc | 2020-01-01 21:14 | books(書物・本)

仕事の進め方 / 設計監理料について

はじめに


弊社は、主に住宅、集合住宅、福祉施設(ディサービスセンター)、店舗、およびプロダクトデザイン(家具デザイン)等の設計、デザインを手がける建築デザイン事務所です。

東京および東京近郊の各県をはじめ、日本全国での仕事に対応させていただいています。仕事を大量にこなすのではなく、仕事の数を厳選しながら、一つ一つ丁寧に仕事を進めていく方針をとっています。



仕事の進め方


弊社の仕事の進め方は、大きく


0)面談

1)調査、企画業務

2)基本設計

3)実施設計

4)確認申請

5)工事監理

6)竣工、引き渡し


という流れとなっています。


0ご相談、面談(無料)


はじめに、直接お会いし、どのような計画、ご要望があるのかお伺いいたします。その際、弊社の設計事例などをお見せしながら、建築を設計していく上での考えなどを説明させていただきます。


1調査・企画業務


初回のご相談の結果、弊社に調査、企画業務をお願いしたいというご要望があれば、四会連合協定・建築設計・監理等業務委託契約約款をもとに、調査・企画業務委託契約を行った後、住宅の事例では、


A.平面図、立面図、断面図(1/100)、設計概要のプレゼンテーション


B.上記に加え、スタディ模型(1/100)を作成する場合のプレゼンテーション


を選択いただきます。Aの場合、10万円、Bの場合、15万円で承ります。(こちらの料金は、設計監理料に含まれませんので、あらかじめご了承ください。)プレゼンテーションは、およそ23週間で作成いたします。


*企画業務なしで、直接設計契約をしていただくことも可能です。その場合、プレゼンテーションに対する諸費用はいただきません。


2)設計契約


1)で提案させていただいたプレゼンテーションがお気に入りいただき、弊社に設計監理を依頼したいと判断いただいた場合は、四会連合協定・建築設計・監理等業務委託契約書(小規模向け)に基づき、契約を行った後、基本設計に移行していきます。


3)基本設計


基本設計では、プレンゼンテーションで作成しました提案をベースとして、新たに再検討を行い、プラン、立面、断面、詳細について実施設計ができるまでの案につめていきます。この段階で、仕上げなど詳細について検討を行います。(期間はおよそ34ヶ月)


4)実施設計+基本設計概算見積もり


基本設計が決定した時点で、次に実施設計に移行していきます。実施設計を始める前に、この時点で、23社施工業者を候補にあげ、基本設計をベースにした概算見積もりを施工業者に依頼いたします。作成された概算を参照しながら、予算よりオーバーしている場合には、実施設計の段階でデザインを調整しながら設計作業を進めていきます。実施設計を進めながら、打合せは継続しながら、ご希望の変更も考慮し、実施図面の作成を進めていきます。(期間はおよそ2ヶ月~2.5ヶ月)


5実施設計+本見積もり


実施設計が完了した後、基本設計時に選定しました施工会社に見積もりを発注し、予算の比較を行います。基本設計時概算見積もりで、予算をかなり上回る高額な概算を行った施工会社は、この時点で他の施工会社を選定しなおすことも検討します。


予算調整+施工者選定


実施設計と予算の調整を行った後、お客様とご相談の上、施工会社を決定いたします。提出された金額で選定するのか、あるいは、施工会社の実績、相性のようなものを重視するのか、お客様とご相談の上決定していきます。


7)確認申請業務


規模により様々な条例等の検討を行い、役所との打ち合わせ、審査業務を併行して行いながら、建築審査機関に提出する建築確認申請書を準備し、提出いたします。


8)施工前最終打ち合わせ


確認審査の期間中、最終的な打合せをお客様、弊社、施工会社と進めていきます。


9)工事契約、着工から竣工、引き渡しへ


確認審査がおりた後、施工会社との契約を行い、建築工事の着工を迎えます。その後、弊社は設計監理、及び中間検査、完了検査といった建築基準法上に必要な業務を行い、竣工、引き渡しまで責任をもって仕事にのぞみます。



設計監理料について


弊社では、設計監理料をその建築の延べ床面積(大きさ)に対応して決定しています。


弊社では、延べ床面積を次のように定めています。延べ床面積は、建築面積に含まれるすべての床面積の各階の合計であり、駐車場など、建築基準法上面積が緩和される部分を含みます。バルコニーや屋上がある場合は、その面積の1/2を加算します。(建築基準法上の延べ面積とは異なりますので、ご了承ください。)


大きさによって設計監理料を決定する理由は、工費に対するパーセンテージで設計監理料を決定するという一般的な方法では、同じ延べ面積の住宅でありながら、工費によって、設計監理料に上下が生じるということ、さらに、お客様が単に仕様を高額なものに選択しなおしただけで、設計料が上がってしまうという矛盾があります。こうした矛盾を解消するため、大きさによって設計監理料を決定する方針を採用しています。


大きさによって設計監理料を決定するため、かなり初期の段階で、設計監理料をお客様が想定できるというメリットもあります。


但し、小さい建築でありながら、特殊な工法や設計を要する建築、杭工事を必要とする建築などで、設計監理料を換算した場合、総工費の8%を下回るような金額になった場合につきましては、最低設計監理料としまして、総工費の8%とさせていただいています。


弊社の設計監理料には、構造設計料が含まれています。弊社では、木造の平屋であっても構造計算(許容応力度計算)を行います。


*詳しくは、面談時に提示させていただきますが、面談前にあらかじめ設計監理料を知りたいというお客様には、pdfにまとめたものを送付いたします。


*インテリアデザイン、リノべーションデザイン(保存活用デザイン)、ファニチャーデザイン、及びその他プロダクトデザインにつきましては、別途設計監理料、デザイン料を設けておりますので、お問い合わせください。


*木造住宅以外の鉄筋コンクリート造、鉄骨造など規模の大きい建築の場合(概ね、述べ面積200m2以上)は、設備設計が必要になります。その場合は、設計監理料に設備設計費用がかかりますので、あらかじめご了承ください。


*建築の規模(述べ面積)が300m2以上の場合、法的に様々な検討が必要になってきます。遵守すべき条例の数が増え、検討すべき項目も圧倒的に増えて参ります。設計監理料は、述べ面積が300m2未満のものと300m2以上のものの2種類を用意させていただいていますことをご了承ください。



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by kurarc | 2020-01-01 18:46 | 仕事の進め方 / 設計監理料

世界都市史事典

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布野修司先生より、年末に『世界都市史事典』をいただいた。この中のポルトガルのポルトの都市の項目に掲載する写真3枚を提供したことによる。

この事典、定価は20,000円(税抜)である。布野先生には、研究室に所属するときから、飲み会だの幾度か奢っていただいている。わたしが修士論文で日本建築学会優秀修士論文賞をいただいたときにも、仙台でかなり高価な宴会場を用意してしまったが、その宴会代も研究室持ちであった。この時は、先生も博士論文で学会賞を受賞されたということもあったが、随分と高い支払いをしていただいた。

いただいた『世界都市史事典』、本の厚さは5センチほどある。一気に読むには膨大な量があり、無理だが、今後、都市について調べたいときに活用させていだこうと思う。

この事典を眺めていると、このお正月は、元日から勉強が足りないぞ、と先生からお叱りを受けているような気がしている。

by kurarc | 2020-01-01 18:20 | books(書物・本)

鎌倉JK-House(リノベーション)

鎌倉JK-House


鎌倉における大規模なリノベーション工事であり、2世帯住宅に増改築するという仕事でした。1階は親世帯、2階に子世帯を配置、既存の階段、建具を再利用しながら、プランを決定しています。1階の増築部は遠くに望まれる衣張山を借景として取り込んでいます。


内部の床には徳島の杉材(赤味)を提案させていただき、増改築部のほぼすべてに使用しています。2階の子世帯では、この杉材に白のつや消しの塗料が選択され、寝室には漆喰を施しています。外部の駐車スペースは、この駐車スペースをつくるために取り壊した大谷石塀の大谷石が再利用されています。


所在地:神奈川県鎌倉市浄明寺

規模:述べ面積:220.23m2

構造:木造 地上2階建て


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by kurarc | 2020-01-01 17:44 | 鎌倉JK-House(リノベ)

葉山HK-House

葉山HK-House


クライアントの方はプロのウィンドサファーであり、葉山の土地にクラブハウス、艇庫、住宅をつくることを望まれました。敷地は海に隣接した土地といってもよい場所であること、また、1階が艇庫であるため、大きな空間が必要であることから、鉄骨造の骨組みが選択されましたが、その他はできるかぎり木造で建設されました。


クライアントの方は、風の流れに対し繊細であり、この仕事でも、風を室内に取り込む工夫がなされています。また、外部では海風を切るような片流れの屋根の形状がデザインされました。真っ白な建築にしたいという奥様のご要望もあり、外壁全体を白で統一し、葉山らしい住宅にデザインされています。


住宅部の床には、クライアントのお知り合いの方から、杉の燻煙処理をした床材を購入し、使用しています。その杉材によって、住宅の調湿や素足で歩ける心地良い床が実現しています。


所在地:神奈川県三浦郡葉山町

規模:述べ面積:193.69m2

構造:鉄骨造 地上3階建て


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by kurarc | 2020-01-01 16:16 | 葉山HK-House

藤沢KU-House

藤沢KU-HOUSE


地下に音楽スタジオをもつ住宅です。半地下の地下室(鉄筋コンクリート造)に、2階建ての木造住宅をのせたかたち、いわゆる混構造の住宅です。三方が道路に囲まれた恵まれた敷地であったことから、日照の問題もまったくないため、パッシブソーラーハウスのコンセプトを取り入れています。地下室としてつくられたコンクリートの天井(1階床にあたる。仕上げにタイルを使用)に太陽光を蓄熱するという仕組みを取り入れ、日照は時間で開閉がコントロールできるブラインドで調光しています。


地下スタジオの建設は、コンクリートが十分乾燥するのを待ち、竣工から1年後に再度施工されました。


所在地:神奈川県藤沢市片瀬

規模:述べ面責:87.42m2

構造:木造+鉄筋コンクリート造 地上2階 地下1階(音楽スタジオ)


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by kurarc | 2020-01-01 14:31 | 藤沢KU-House

南伊豆MT-House (杉小舎)

南伊豆MTHOUSE(杉小舍 すぎごや)


この仕事は、鎌倉に事務所を設立してから初めての大きな仕事でした。住宅となる母屋と離れ(コテージとして賃貸される)の2棟を敷地内に建設する仕事で、敷地はおよそ20度の傾斜地であり、眼下には南伊豆の海を望む広大な敷地でした。


クライアントの方からのご要望でもありましたが、杉材を構造材(柱、梁ほか)と外装材、内装材のすべてに使用しています。海に近く、気候の激しい地域でもあるため、外壁は杉材を補う材料としてガルバリウム鋼板が選択されました。ガルバリウム鋼板を屋根、外壁の一部に貼り、破風もガルバリウム鋼板で巻き込んでいます。塩害により軒裏が痛みやすいことから、軒を出すことは最小限に留めています。


住宅を構成する各杉の部材は柱、土台の120ミリ角という単位を基準に、梁は120×240120×2)ミリ、垂木は120/2=60)ミリ、間柱、根太は120/3=40)ミリと部材を整理し、架構を秩序立てています。


*この住宅は、青山真治監督の映画『こおろぎ』(2006)の舞台として使用されました。


所在地:静岡県賀茂郡南伊豆町

規模:述べ面積 母屋:114.51m2 離れ(コテージ):41.41m2

構造:木造 地下1階 地上2階建て



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by kurarc | 2020-01-01 14:10 | 南伊豆MT-House (杉小舎)

profile / 事務所概要

倉澤  Satoru KURASAWA


1961年 東京都(三鷹市)生まれ

1984年 東京造形大学造形学部デザイン学科 室内建築コース卒業(白澤宏規研究室)

1991年 東洋大学大学院工学研究科博士前期課程 建築学専攻修了(布野修司研究室)

1999年 ルジーアダ大学建築学部(リスボン )にてポルトガル建築史受講(担当教授:オラシオ・ボニファシオ教授)


資格 


1級建築士 2級建築士 応急危険度判定士



経歴


1984-1985年 末吉栄三計画研究室(沖縄県、那覇)

1986-1989年 エステック計画研究所(東京都、下北沢)

1991-1992年 山本理顕設計工場(東京都、田園調布)

1995-1997年 東洋大学工学部建築学科助手(埼玉県、川越)

1997-1999年 ポルトガル(リスボン)在住

㈱エステック計画研究所HP

㈱山本理顕設計工場HP



事務所概要


1995年 倉澤智建築事務所設立(1級建築士事務所)

2000年 鎌倉にて有限会社に改組

2012年 東京都三鷹市に移転

2020年 倉澤智建築デザイン事務所(個人事務所)に改称



事務所所在地・連絡先


東京都三鷹市下連雀1-14-6-202 〒181-0013

*三鷹の森ジブリ美術館向かい、KOTORIカフェ裏、銀色のビルの202号室となります。


Tel : 0422-26-9561

Fax :0422-26-9542

Mail:kurarc@xd6.so-net.ne.jp



建築士登録・事務所登録・管理建築士登録・取引銀行


1級建築士登録 大臣登録 第254118号 倉澤

定期講習会修了 修了証番号 第T172F-11663X

事務所登録 東京都知事登録 第63608

管理建築士 第082G-20279T号(20081126日講習会修了済み 倉澤 智)

(公)日本建築士会連合会 インスペクター 登録番号 13160264

住宅省エネルギー技術者講習会修了 修了番号 RO19-11-C-1023

取引銀行 みずほ銀行 三鷹支店



事業内容


1 建築の設計、監理、及びコンサルタント

2 店舗、及びそのインテリアの設計、監理

3 建築物の保存活用、歴史的建造物の保存活用のための設計、デザイン

4 建築、都市に関する研究、及び研究成果の出版

5 家具デザイン、プロダクトデザイン及びグラフィックデザイン

6 書籍の出版、翻訳、販売業 

7 前各号に付帯する一切の事業



デザイン寄託 一般社団法人日本デザイン保護協会に以下の寄託を行っています。


1 EN-Chair 寄託番号:D200800067

2 Catenaria(カテナリア 天板オーク柾目突板)寄託番号:D200800068

3 Catenaria(カテナリア 天板高透過クリアガラス)寄託番号:D200800069

4 FRAME PIN 寄託番号:D201600029




所属


1989-     日本建築学会会員

2004-2006年 鎌倉市景観アドヴァイザー

2004-2014年 ひと・まち・鎌倉ネットワーク運営委員

2006-2009年 日本建築家協会 関東甲信越支部 保存問題委員会委員

2008-     神奈川県立近代美術館100年の会会員

2011-     (社)日本ポルトガル協会会員

2012-     株式会社まちづくり三鷹 三鷹iクラブ会員

2013-     東京建築士会 正会員



受賞歴


1991年 日本建築学会優秀修士論文賞受賞

論文題目『ブルーノ・タウトの建築思想に関する研究ー日本におけるタウトの受容と評価を中心として』

2002年 『ポルトガルを知るための50章』(共著)により、ポルトガル大使館よりロドリゲス通事賞受賞

2008年 天童木工家具デザインコンクール2008 銀賞受賞(Catenaria(カテナリア テーブル)東宮誠との協働による)

2008年 遠藤照明第1回家具デザインコンペティション グループ部門 奨励賞受賞(EN-Chair 東宮誠との協働による)

2012年 愛知建築士会名古屋北支部 第3回建築コンクール 佳作受賞(鎌倉IS-HOUSE

2013年 NPO法人家づくりの会主催 第1回家づくり大賞 素材ディテール部門(一般の部)部門賞受賞(鎌倉IS-HOUSE



著書


『ポルトガルを知るための50章』(共著、2001、明石書店)

『ポルトガルを知るための55章』(共著、第2版、20112017増刷、明石書店)



海外旅行歴


19846月~19855月:旅行先 台湾、タイ、イギリス、フランス、イタリア、オーストリア、西ドイツ、東ドイツ、スイス、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ベルギー、オランダ、ハンガリー、チェコスロヴァキア、スペイン、ポルトガル、モロッコ、アルジェリア、チュニジア、ギリシア、エジプト、トルコ、イラン、パキスタン、インド

198910月~198911月:旅行先 インドネシア

19958月~19959月:旅行先 ベルギー、フランス、スペイン、ポルトガル

199710月~199912月:旅行先(ポルトガル滞在時) ブラジル、イギリス、スペイン、イタリア、フランス、ベルギー、デンマーク



趣味


映画鑑賞

音楽鑑賞

トランペット、ギター演奏

野鳥の観察

語学の学習



建築に対する考え方


1)世界の建築を見学することから


わたしは、大学を卒業後、沖縄の建築家、末吉栄三さんの事務所に就職しました。ちょうど、私が大学4年のときに、末吉さんの設計された馬天小学校という沖縄の仕事をみて、異なる文化圏の建築にひかれたことがきっかけでした。


それは、思いがけない次への行動を呼び起こすことになりました。ちょうど就職して働きはじめた矢先に、沖縄の建築家、山田正永さんが世界旅行を計画されているということで、仕事が忙しくなかったこともあり、末吉さんに山田さんと建築をみてまわったらどうかと勧められたのです。わたしはすぐに同意して、出発までの2ヶ月あまりの間に、旅する国、見学する建築の資料を集めることに専心しました。幸い、末吉さんをはじめ、そのOBOGの方々の協力もあり、資料をコーピーさせていただき、短時間で旅支度が整うことになります。


そして、台湾、タイを経由しながら、イギリスへ飛び、そこからほとんどを陸路(および船路)でヨーロッパ、北アフリカ、中東を経てインドまでという、およそ11ヶ月の旅の経験をつみました。このときに見学した建築、都市がわたしにとって建築をはじめるための財産となっています。


2)建築には歴史がある


世界中の建築や都市を見学しながら、多種多様な建築の経験をしてきましたが、建築には膨大な歴史の蓄積があります。特に、現代において建築を設計、デザインするときには、日本の建築文化を知ることだけでは不足し、少なくとも19世紀から20世紀にかけての近代建築の歴史を頭にいれておくことが必要です。わたしは、先に述べた旅の経験のなかで、主要な近代建築を見学し、学習してきました。その成果をわたしが設計する建築に反映させたいと考えています。


3)お客様の発想との交換から


住宅のような建築を設計する場合には、特にお客様のご要望は大変重要であると思います。建築を専門とするわたしのようなものには思いもつかないような柔軟な考えをお持ちの方も数多くいらっしゃいます。わたしはそうした考えを取り入れて建築を設計、デザインしたいと思っています。しかし、一方で、お客様には、頭を白紙の状態にもどしていただくことも必要であると思っています。建築を設計するということは多くの可能性を秘めています。最初に抱いイメージに固執するあまり、その可能性を閉じてしまうこともあるからです。わたしはお客様のご要望とわたしの発想を交換しながら、柔軟に対応し、最初の発想からは想像もつかなかったような建築をデザインしていきたいと考えています。


4)建築のコンセプトを明快に表現する


わたしはお客様のご要望をお聞きした上で、そのお客様の考えを、明快な建築のコンセプトに再構成しなおし、建築を設計したいと考えています。お客様のご要望は数多く、それぞれ相互に矛盾するようなご要望もあります。それらを整理しながら、建築として無理のないプラン、かたちにデザインしていくことがわたしたち建築家が取り組まなければならない、最も重要な責務であると考えています。


5)建築は個人の財産でありながら、都市の財産でもある


住宅は個人の建築であり、財産ですが、その建築が表現されるのは都市の中においてであり、その建築は多くの人々の目にさらされる財産となります。わたしはその住宅が個人のものという領域を超えて、その都市の中でなんらかの機能を果たすべきものであると考えます。たとえば、住宅に花があふれていれば、その美しさ、豊かさは近隣の方々に影響をあたえるはずです。一つの建築を建設することで、その建築が都市を豊かにでき、近隣によい影響を与えるという可能性を常に意識しながら建築をつくりたいと思っています。


6)時間をデザインする


たとえば、若いときに買った洋服は、ある年齢になってしまうと似合わないということがあるはずです。しかし、建築に限って言えば、若いときに住宅をつくっても、その住宅に一生涯暮らすことができる、普遍性のある空間を設計しなければならないと思います。確かに、建築に流行のようなものはあります。流行する素材もあります。そうしたものを使うことはためらいませんが、それをどのようにデザインしていくのかがわれわれに問われることになります。流行のままにデザインするのではなく、普遍的な解答になるようにデザインしていかなければなりません。また、建築が時間とともに変化できるような可変性、流動性を建築の中に組み込んでおくことが必要であり、そうすることによって、時間とともに深化していく建築が実現できると考えます。


7)最後に、日常を豊かにするために


人は誰も何気ない日常が最も大切なものです。その日常を楽しみ、いつもの日常を迎えることができる空間、それが住宅であり、建築です。家族との会話や食事を楽しんだり、音楽を聴いたり、映画を観たり、家族のいない方にとっては、一人の時間を充実させるための空間であり、人を包み込む空間が建築です。日常こそ大切なのであり、日常をしっかりと支えることが建築に求められます。建築家の責務は、日常を豊かにするための建築を確実に実現していくことにある、と考えます。


by kurarc | 2020-01-01 13:54 | profile / 事務所概要