2020年 01月 12日 ( 1 )

「モナ・リザ」と「水」について

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母校主催による「ダ・ヴィンチ没後500年 夢の実現展」を観に、代官山ヒルサイドファーラムへ。

この展覧会では何と言っても、『最後の晩餐』VR体験が興味深かった。『最後の晩餐』のキリストの立つ位置にVR上で立つことができるのである。前方に見える食堂の奥行きや、背後の部屋の奥行き、左右のタペストリー、奥の窓越しに見える山の風景などがVRとして体験できる。さらに、テーブルに置かれた皿やりんごなどをつかむような体験もできる。

それとは別に興味を持ったのは、「モナ・リザ」の解釈についてである。いまだに、誰がモデルであったのか、「モナ・リザ」は本当に微笑んでいるのか、など謎に満ちた絵画であるが、本展覧会では、「モナ・リザ」と水の関係について言及していた。

レオナルドは、「世界と人間は相似関係にあると考えており、水の循環がひきおこす侵食と堆積、洪水によって、世界も人間と同じように生まれて育ち、やがて死を迎えるものとみなしていた。こうして、地熱で熱せられた地下水が地上に出て、地球を形作って、ぐるりとまわって戻ってくる循環が、モナリザの心臓と重なるように通っている」(展覧会カタログより抜粋)表現としてモナ・リザを描いているというのである。

わたしはこうしたモナ・リザの解釈を初めて知った。モナ・リザの背後に描かれた水や山岳の風景は風景ではなく、ダ・ヴィンチの世界観、宇宙観の表現であるという解釈である。

また、モナ・リザのモデルについては、現在、ジョコンダ夫人であるという説が有力であるが、この絵画はクライアントとの契約が破綻し、ダ・ヴィンチがずっと離さず持ち歩くことになるが、その中で、その顔にダ・ヴィンチは手を加え、彼の母親の顔に近づけたのではないか、といった説も紹介されていた。その証拠に、モナ・リザはダ・ヴィンチの自画像に似ているということ、赤外線照射により明らかになったもとのデッサン段階では、現在のモナ・リザの顔と微妙に異なっているからである。

様々な謎はそう簡単には解けそうもないが、わたしは謎のままずっと存在し続けて、多くのテクストを提供する絵画であり続けてほしいと思っている。

by kurarc | 2020-01-12 20:09 | art(藝術)