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カテゴリ:lumiere( 2 )

Rivetage(リヴェタージュ)のある風景

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仕事で水道橋の駅を降りたときに、たまたま水道橋のガード下を通過した。鉄骨造の橋桁がポルティコをかたちづくり、その下は道路と歩道が走る。

この鉄骨はリベット締めされた鉄骨である。わたしの母校の小学校体育館もリベット締めであることに最近気づいたが、1960年代くらいまで現在の高力ボルトに代わり使用された鉄骨を締め付けるための金属の鋲である。頭が丸いこともあり、鉄骨の表情が柔らかくなる。レトロな雰囲気も漂わせる。

1964年の東京オリンピックの時期に建設された鉄骨造はこのリベットが使用されている。(身近な事例は、東京タワーなど。もちろん、エッフェル塔も。)しかし、2020年の東京オリンピックに向かって、東京はこうした過去の建造物が次々と解体されている。前回の東京オリンピックにおいても、東京の風景は大きく変化し、過去の建造物、事物が数多く解体されたはずである。

失われていくものに対して、あたたかい眼差しを注ぐことがすべての分野で必要とされると思うが、水道橋のポルティコを歩きながら、無人のパリの風景を撮影したアジェの写真のように、こうしたリベット時代の鉄骨を写真に定着させておきたい、という衝動にかられた。

日本はよく木の文化の国と言われる。しかし、その木を加工し、固定するのは金属、すなわち、のこぎりやノミ、カンナ、和釘であった。こうした金属文化なしには高度な木の文化は存在しなかった。木と金属は一心同体であったはずである。

わたしは実家が鉄工所であったせいか、わたしの原風景は旋盤を使う父の姿や、旋盤から白煙をはいて飛び散る切子(螺旋状の金属クズ)であり、その機械音であった。そうした環境で育った経緯もあり、金属文化に親しみをもつのかもしれない。

当面、この被写体を「Rivetage(リヴェタージュ)」というフランス語をキーワードに定めておこうと思う。

東京を撮影するテーマが一つ、見つかった。

*金属のほか、石の文化や土の文化も忘れてはならない。
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by kurarc | 2018-05-16 21:43 | lumiere

暗い部屋 カメラ・オブスクラ

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建築をデザインするときに、最も気になる要素の一つは「光」である。「光」は眼に見えないが、なにか「光」というものを肉感的につかみたいという衝動がある。なにかよいとらえ方はないか、具体的な対象はないかとずっと思っていた。その一つはカメラであるが、現在のデジタルカメラでは、あまりにも機械的であり、わたしの意図にそぐわない。

そこで注目しているのが、カメラ・オブスクラ(「暗い部屋」の意味のラテン語)である。製品としてはピンホールカメラとして、子供用にキットなども発売されている。レンズのいらないカメラ(レンズ付きのものもあるが)である。小さな穴から投影された光が、目の前に見える像と逆さまに映し出される原理を応用した光学装置である。

ルネッサンス期の画家たちはこの装置を用いて、風景画を描いたことでも知られている。こうした原始的な装置を使いながら、「光」というものを肉感的につかむトレーニングのようなことができないだろうか、と思っているのである。

この装置がよいのは、機械のような装置とは異なり、工作レベルでつくることができる点(安価につくることができる)である。ピンホールカメラで写真を撮影する楽しみもある。近くの自然をのんびりと撮影するのに適した装置にもなりそうである。

「光」の探求も今年の課題とすることにしよう。

*ちょうど、田所美惠子さん(針穴写真家)の個展「針穴的エッフェル塔三十六景」がJIKE STUDIOで開かれているので、出かけてみようと思っている。

*これを機会に、カテゴリに「lumière」を加えた。「lumière」では、光学やカメラ、写真など光にまつわるメモを記していくことにしようと思う。
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by kurarc | 2016-04-23 19:49 | lumiere


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