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カテゴリ:design( 169 )

蔵書票(EXLIBRIS)

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40年以上も前にお世話になった英語の先生からいただいたオリジナルの蔵書票(EXLIBRIS)がある。わたしの名前入りで、エッチングで、ある作家の方に製作していただいたものである。蔵書票は蔵書に貼り付けるものだと思うが、ずっと貼り付けるのがもったいなく、そのまま、保存しておいた。

かなり枚数をいただいたと思うが、今では3枚しか手元になくなっていた。このままにしておくと、いつか失われてしまうと思い、この蔵書票を飾る額縁のようなものをずっと探していた。今日、台湾フェスタの帰りに立ち寄った下北沢のアンティークショップで手頃なガラスの額縁(上写真)を見つけ、購入した。

このアンティークショップでは以前、アルヴァ・アアルトの椅子を購入したことがある。30年以上前のことになる。アンティーク・ショップにはなぜか引きつけられる。それは、懐かしさだけではない。商品として、現在流通していないものに巡り会えるし、こんなデザインができるのか、という新しい発見を楽しめるからだと思う。



by kurarc | 2019-07-28 23:55 | design

大橋晃朗先生 アルミの椅子

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大学時代の友人から大橋晃朗先生のアルミの椅子(ストリート・ファニチャー)が府中の病院の一角に残っていることを聞き、同じ大学の友人と見学に行った。

元都立府中病院があった傍らに池があり、その池の前のスペースに大橋先生のアルミの椅子が4脚ならんでいた。1981年に発表されたボード・チェアシリーズと同じデザインであり、内部での使用のものはアルミが練り付けられた合板で製作された。

こちらは外部で使用されることもあり、アルミの無垢板で製作されたもののようだ。わたしは学生時代、元府中病院の敷地内(確か駐車場)の整備計画のような仕事のデザイン案を見学したが、そのとき、この椅子があることは知らなかった。その当時、すでにあったものか、少し時間が経って設置されたものか、詳しい経緯はわからない。

残念なのは、メンテナンスが行き届いていず、汚れたまま、放置されていた。ニューヨークの近代美術館や香港M+に作品が保管されるようなデザイナーの仕事であることを知らないのだろう。これでは折角の椅子が台無しである。管理者を探してこの椅子をメンテナンスするように近々お願いするつもりである。

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by kurarc | 2019-07-14 23:51 | design

東芝ポータブルCDプレーヤー

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最近の楽器の教則本には、CDが付属しているものが多い。模範演奏や伴奏などを収録したものだが、これらのCDを聴きながら楽器練習用として使用し、重宝するのが、東芝ポータブルCDプレーヤー(スピーカー付き)である。

スピーカーの付属は、CDを聴きながら楽器を練習するには必須である。ヘッドホンをしていては、楽器は練習できないからである。スピードコントロールの装置も着想されていて、曲を練習する場合、わずかにスピードを落として練習ができる。もともとは語学学習用に製品化したものと思えるが、これが楽器を練習するのにちょうどよいのである。

デザインは決してよいものではないが、スマホの普及などにより、こうしたCDプレーヤーは減少したのだろう。現在はスピーカー付きはこの1台しか販売されていないのだという。スマホでは曲をただ聴くのにはよいが、たびたび繰り返して聴きながら練習する場合、パネルタッチではシャープに操作はできない。このCDプレーヤーは曲を聴き終えたところから再生する機能もついているので、時間のロスも少ない。

しかし、このCDプレーやが廃番になるのも時間の問題かもしれない。大切に使用して、少しでも永く使い続けられるようにするしかない。

by kurarc | 2019-06-07 20:15 | design

パリのノートルダム 水平性と垂直性


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ノートルダムの大火災から一夜が過ぎ、少し落ち着いてこの大聖堂を改めて眺めてみた。この大聖堂の特徴は、西側のファサードに限ると、その水平性と垂直性を見事に解決した造形であることに気がつく。

アミアン大聖堂、ランス大聖堂等と比べても、水平性の強調が目につく。ゴシック建築というと垂直性ばかりに目がいってしまうが、ノートルダムに限っては水平性と垂直性の対立を統一した大聖堂といった方がよいのではないだろうか。

この大火災の前日にたまたま『大聖堂のコスモロジー』(馬杉宗夫著)の古本を購入していた。この書物にもそのことが書かれていて、「王のギャラリー」と言われる旧約聖書に登場するユダヤの王たちを表現した水平性とその上部に表現された水平帯の表現は素直で、他の大聖堂と大きく異なる要素になっており、バランスのよいデザインにまとめられている。

「王のギャラリー」の像はフランス革命時に破壊され、19世紀に復元されたものだという。1977年、偶然にも彩色の残るオリジナルの像の断片が工事中の現場から発見されたということだが、このようにこの大聖堂は、何百年の間、様々な苦難に耐えてきた建造物なのである。

よって、再建されることは間違いないのだが、マクロン大統領が言うように、早急に再建すべきではないし、できるものでもないと思う。大聖堂のオリジナリティー、オーセンティシティーを慎重に議論した上で再建されるべきである。

*わたしが2年ほど過ごしたポルトガル(スペインも同様)では、「水平性(水平的)ゴシック」という様式がある。

by kurarc | 2019-04-17 23:11 | design

カフェとソファー

先日、吉祥寺と西荻窪間の中央線ガード下にできたカフェに昼食に行った。デザインは今時のものだが、ガード下ということもあり、天井高さは6m程度あるだろうか。2階もあり、開放的なカフェであった。

あまりカフェには訪れないが、最近は入るとしてもスタバやドトールなどのチェーン店には入らず、昭和時代からおばさん、おじさんがやっているような喫茶店に入るようにしている。定食屋さんもしかり。こうした店は、対応が自然で、でてくる食事もオリジナルだから個性的でよいし、値段も良心的なところが多い。

しかし、今回、このガード下のカフェに行き、一つ気になったことがあった。それは、椅子だけでなく、かなりゆったりとしたソファーをしつらえていたということである。小さな子供連れの母親たちは、そのソファーに子供を寝かし、母親たちで会話を楽しんでいた。

こうした光景は、昭和の喫茶店ではありえなかった。昭和の喫茶店、あるいはファミレスでは子供用の椅子はしつらえるが、ソファーまで置かれた空間は記憶にない。スタバも店によってはソファーを設置してあるところもあるが、小さな子供たちのベッド代わりになるような使い方はわたしも想像していなかった。

お母さんたちは、こうしたソファーがしつらえてあることを知って、このカフェを選択していたのかもしれない。椅子(ソファー)は座るためだけでなく、子供たちにはベッドになる、ということを想像しておかなければならないことに気づかされたのである。

*下写真:中野駅南口の定食屋わしや。最近入った定食屋さんの中で気に入った店。

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by kurarc | 2019-04-13 00:20 | design

日常の中のデザイン25 コップスタンド+コップ

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歯磨きの後、うがいをするためのコップでよいものがないかずっと探していた。洗面所で使用するコップは、使い終わった後、そのままおいておくと、底に水が残っていることもあり、不衛生であるから、なにかコップスタンドとペアになっているようなものはないか、ずっと探していたのである。

国立駅内にあるnonowa国立内のデザインショップで、「+d KOBITO|コビト」(上写真)と名付けられたコップスタンド+コップが使い心地がよさそうなので購入してみることにした。シリコンでできたスタンドとコップは水切れもよく、予想以上に使い心地がよい。

最近、デザイングッズが豊富に出回るようになったが、その一方で、デザインがよいだけで耐久性に劣ったり、すぐに壊れたりするものも多い。これはデザインの流行の弊害といえる。デザインがよいだけでなく、日常の使用に耐えられるものであるのか、よく見極めて購入することが必須である。

「+d KOBITO|コビト」はわたしが購入したデザイングッズの中でも、合格点をあげてもよい商品であると思った。但し、価格は少し高すぎるのではないだろうか。

by kurarc | 2019-03-23 23:57 | design

日常の中のデザイン24 今治謹製至福タオル

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結婚式の引出物に今治謹製至福タオルをいただいた。一見普通のタオルだが、肌触りがまったく異なる。優しいタオルである。今治タオルはデザイン界ではよく知られていただが、ここまで使い心地が異なるとは思わなかった。

それでは、何が違うのか?

素材:新疆綿
製法:甘撚り(ひねり)
水:晒し方(先晒し)

の三つが大きく異なるようだ。つまり、今までやっていたことをもう一度見直し、高品質のものを生み出しただけなのだといえる。大発明など必要ないのである。


by kurarc | 2018-11-17 11:12 | design

三鷹市大沢 復原された「わさび農家」(旧箕輪家)見学

三鷹市の文化財市民協力員養成講座の一環として、三鷹市大沢のわさび農家を見学。

三鷹市大沢に残る旧箕輪家住宅主屋が今年復原工事を終え、11月から一般に公開される。三鷹市民の有志がこの農家の由来などを学び、見学に来られる人々にガイドするための事前学習会が今日行われた。

公開前なので、写真は掲載できないが、思った以上に優れた農家であり感心した。まずは明解な構造とわさび田(現在は整備中)に開かれたプラン、また屋根は防火上銅板で葺かれたが、オリジナルは「麦から」を使用したことが復原工事の段階でわかったという。麦を使って屋根を葺くのは大変珍しいことだという。

また、興味深いのは、オーナーが土壁を塗るのにお金がかかるため、竹小舞が残され、露出した壁があったということだが、その壁をそのまま残したことで、竹小舞がどのように組まれているのかがわかり、学習しやすいこと。結果として、訪れた人々に大変説明しやすい状態となっている。

農家のスケール感もよく、この農家を建設した大工は、相当腕のよい大工であったことが想像される。残念なのはわさび田の手入れがなされていず、当時の風情を感じるまでにはいたっていないこと。湧水の量もかなり減少し、わさびを育てるには厳しい環境であるということだが、なんとしてもわさび田を含めて復原し、三鷹に残っていたわさび農家の原風景を感じられる環境へと成長してもらいたいと思う。

by kurarc | 2018-09-16 00:04 | design

ヘリンボーン模様

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現在進めている住宅で、クライアントの方からヘリンボーン(herringbone)仕様(正確には、フレンチ・ヘリンボーン、写真上下はWikipediaより引用、建築や布に現れたもの))の床組にしたい、というご要望があった。この模様をどこかで記憶していたが、先日久しぶりに訪ねた従兄の家の床組がこのヘリンボーンであった。

日本語では、杉綾とか矢筈模様などと表記されるようだが、英語の意味は「ニシンの骨」の意味。こうしたどこの世界、土地にも普遍的に現れる模様には、幾何学的、数学的合理性が潜んでいることは間違いない。この模様を立体的に積み上げたのが、ブルネレスキによるフィレンツェのドーモのレンガ積みであることは建築学でよく知られている。

昨日行った恵比寿ガーデンプレイスの床のタイルもこのヘリンボーン模様であった。この模様は靴底にも使用され、その模様の特性からだと思うが、滑り止めとしての効果を発揮する。建築になぜこのような模様が使われるようになったのかは不明だが、やはり、構造力学上、また、床のような箇所では、堅牢に組み上げられることなど、その機能的特性に優れているからだと思われる。

こうした模様の組み方が最初、どのような土地で使われたのかも不明だが、わたしは現在のエジプトや中近東のイスラム圏であったのではないかと想像する。タイルの発達しているこうした地域で、日干しレンガなどの組み方の中に、最初に現れてきたのではないか?と想像するが、確かなことはわからない。

模様は平面だけでなく、立体的にどのように展開できるかを考えていくと興味深い。ブルネレスキの矢筈積みというのも、なんとはなしに頭に思い描くことはできるが、どのようにレンガを積んでいったのか未だ理解できていないし、謎である。

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by kurarc | 2018-08-19 11:57 | design

日常の中のデザイン23 ビル表示盤

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五反田の東京デザインセンターへサンプルを受け取るために立ち寄った。東京デザインセンターは、マリオ・ベリーニの建築である。日本人では発想できないオフィス建築だな、と行くたびに思わされる。

敷地が傾斜地であり、その斜面を利用した建築は表と裏でまったく様相が変化する。4階のショールームからでも斜面の緑が目にはいてくるから、4階にいる感覚はない。裏側につくられた開放的なギャラリーもよい。重い建築であるのに、その重さが重さとして感じられない。落ち着きと言ったらよいのだろうか。大人の建築である。

今日は、エントランスの壁面にデザインされたビルの表示盤(上写真)に目が行った。これも、ベリーニのデザインなのだろうか?一つ一つのオフィス(ショールーム)の名称が美しく飾られた表示盤である。こうした細部まで手の抜いたところは見られない。いつも思うのは、こうした建築がもっと近くにあればと思うのだが、立地の斜面もこの場所特有の斜面なので、やむを得ないのかもしれない。

わたしは日本人にはできないようなデザインに興味をもっている。いわゆる日本的なものは苦手である。

下:ベリーニ氏デザインの椅子(キャブ・アームレスチェア)とテーブル(ラ・ロトンダ)
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by kurarc | 2018-08-02 18:22 | design