Archiscape


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by S.K.

<   2013年 04月 ( 17 )   > この月の画像一覧

ソファーと和室

久しぶりに風邪をひいてしまった。こういうときは家でのんびりと過ごすことになるが、現在の住居にソファーはおいていないので、くつろぐには布団の中で身体を休めるしかない。こういう場合、椅子に座っていても身体を休ませることはできない。椅子は、ある程度身体の姿勢を保持するために力を入れなくてはならないから、椅子に座りながらくつろぐことはできない。

日本人はよく和室を持ちたがる。そこで横になりくつろげるし、来客を迎えるときの寝室にもなり、フレキシブルに対応できる空間になることがその理由である。しかし、私が自邸をもつとしたら和室はつくらないと思う。和室をつくるお金で、くつろげるソファーを購入するだろう。

ポルトガルで過ごしている時、下宿先のオーナーが一日中ソファーでくつろいでいるのを見て、ソファーとは日本における和室に対応するものであることを発見した。身体の重心を低くして、身体に負担のかからないような姿勢を保持するソファーは、洋室でくつろぐためには必需品といってよい家具である。つまり、西洋では和室はないが、それに変わるソファーという家具、装置が存在しているのである。

よって、リビング、あるいは洋室をつくった場合、ソファーをおかないことは片手落ちになる、と考えられる。読書をするにも、また音楽を鑑賞するにもソファーはいまや必需品なのである。近いうちに私もよいソファーを購入したいと思っている。
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by kurarc | 2013-04-30 21:26 | design

RUA DOS REMEDIOS ヨペックのボサノヴァ

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先日紹介したマリア・アナ・ヨペクの『SOBREMESA』(ソブレメーザ)のCDの一曲目、
「RUA DOS REMEDIOS」(ヘメディオシュ通り/上写真googleより)という曲がある。

この通りを調べてみるとリスボンのアルファマ地区を東西に横切る通りであった。ちょうどリスボンの東、サンタ・アポローニャ駅の北、パンテオンに通じる街路である。多分リスボンに住んでいる頃、一度は歩いた街路であると思う。この場所から想像されるのは、坂道を登り、正面にパンテオン、右手には建築物の間からテージョ河が切り取られたように眺望できるランドスケープと思われる。

REMEDIOとは、薬、治療、あるいは救済などの意味。ヨペクの歌はポーランド語だからその意味は不明だが、この街路を歩くことがある意味で「救済」の役割をもつような歌詞かもしれない。(あるいは薬屋の多い通りだった可能性もある。)

ギターの刻むリズムが通常のボサノヴァと異なる。シンコペーションの位置が微妙にずれていることにより、ボサノヴァがさらに洗練された印象を醸し出す。彼女のアイディアかもしれない。
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by kurarc | 2013-04-29 00:46 | music

浜口ミホとスペイン

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東京建築士会の図書コーナーに、1950年代、建築書籍においてエポックとなった浜口ミホ著、『日本住宅の封建制』の復刻版が販売されていたので購入する。

まだ、ぱらぱらと眺めている段階だが、彼女が晩年、南スペイン(コスタ・デル・ソル)においてリゾート開発を行なっていたことを知る。その内容は定かではないが、スペインに日本の遺産を残すような試みであったという。どうも日本間のような空間もつくったようだ。彼女は中国生まれ、青島育ちであり、中国の風景にスペインが似ていることが計画の大きな要因だという。

彼女のこの著作の影響で、玄関を持たない住宅が1950年代から1960年代初期に流行した。玄関が封建的な身分社会、格式のようなものを引きずっていることに対して、この著作で批判したからである。しかし、玄関の起源を問うてみても、現代は時代が異なるため、そうした批判は冷静に考えると的外れのように思える。むしろ、玄関は空間の問題、住宅における形式の問題としてとらえた方がアクチュアルであろう。つまり、玄関をマンションの玄関のように紋切り型の固定した空間としてとらえてしまうことの危険さを認識すべきなのである。こうした小さな空間を柔軟にとらえれば、建築は全く異なるものに変化する。そのことを踏まえた上で玄関をなくすことは理にかなっている。

それにしても、浜口のスペインのプロジェクトは残っているのだろうか。どのようなプロジェクトであったのか気になるところである。
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by kurarc | 2013-04-26 23:49 | Spain

アナ・マリア・ヨペク 『SOBREMESA』

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たびたびこのブログで紹介している、ヨペクの音楽だが、CD『SOBREMESA』(ソブレメーザ、ポルトガル語でデザートの意)を初めて聴く。

ポルトガル、ブラジル音楽へのオマージュといえるCD。CDのジャケットがすばらしい。中を開くと、リスボンの風景を描いたアズレージョ(ポルトガルのタイル)が一面に現れる。ライナーノーツはすべてポーランド語だから全く歯が立たない。

このCDから伺えるのは、彼女がリスボンという町を非常に気に入っていること。そして、ポルトガル語文化圏へ敬意をもっていること。

彼女のHPは、ポーランド語、英語、そして日本語のパートがあり、そこでこのCDについてページを割いている。HPの中で、"ソブレメサ”と書かれているのは間違い。”ソブレメー”が正しい発音である。(母音にはさまれたSは濁音となる)

全体にスローな曲を集めている。彼女の解釈によるポルトガル、ブラジル音楽と言えるようなCD。6曲目、「Sei De Um Rio」はモダンなファドといった趣。曲が彼女の声とよくあっている。フリューゲルホルンのアレンジもよい。今後もポルトガル、ブラジル音楽との展開を期待したい。このCDを聴いてもわかるが、彼女の実力は確かなものである。
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by kurarc | 2013-04-24 23:25 | Poland

日常の中のデザイン08 ハリオV60コーヒードリッパー

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コーヒードリッパーがにわかに進化してきた。台形状のペーパーフィルターから円すい形を形作るフィルターへの変化にである。

この中で、ハリオのV60というドリッパーを最近購入した。カリタにも円すい形のフィルター(ウェーブフィルター)のものがあるが、その価格はハリオのフィルターの1.65倍。ためらわずハリオのものを選択した。

二つを比較した訳ではないが、私の選択は正解であったようだ。ハリオのドリッパーの構造は、フィルターから直接コーヒーが抽出されるようにデザインされているためか、コーヒーの温度が下がらず、かつクリアーな味に抽出されることがわかった。

カリタのものは円すい形のフィルターになりながらも、ドリッパーの穴は相変わらず3つ(正三角形状)あいており、その穴からコーヒーが抽出されることになり、フィルターからドリッパー、そしてカップ(あるいはポット)というようにコーヒーが余計な経路をたどることになる。

同じ豆をひき、従来のドリッパーでいれたものと、ハリオV60でいれたものとは全く味が異なる。お試しあれ。
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by kurarc | 2013-04-22 22:40 | design

映画のマテリアリズム 

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この休みにソフィー・マルソーの映画を二本観る。

『恋人たちのアパルトマン』という映画は一流映画とは言えないが、なかなか楽しめる映画であった。ラストシーン間近でマジックミラーを演出の中に取り入れていて、ふと『パリ、テキサス』や『悪い男』などのマジックミラーの演出を思い出した。

映画の中に使用されるこうした装置を一つ一つ分析していくと、興味深い映画論ができるだろう。映画は、空間、時間、言葉(言語)、音楽、装置、人間(俳優)、民族、歴史など諸々の事物によるテクストと言える。特に装置を分析したような映画論はあるのだろうか?

映画に限らず、すべてはテクストである。テクストであるからには、何にしてもその実態を容易につかむことはできない。そのことに早く気づくか気づかないかによって、物事に謙虚に取り組むことができるかどうか決まってしまう、と思う。そして、映画は一度観ただけでは何も語ることはできないことがわかる。

*とりあえず思い出すのは、『エル・スール』での窓、『シテール島への船出』での鏡、『白い町で』での時計、『ジョンとメリー』でのケメックス、『ティファニーで朝食を』の猫、『シャンドライの恋』での螺旋階段、『道』でのトランペット、『愛のめぐりあい』でのポルティコ、『ラ・ブーム』でのウォークマン、『エル・スール』での汽車・・・etc.
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by kurarc | 2013-04-21 23:51 | cinema

門前仲町の住宅 竣工写真

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門前仲町の住宅の竣工写真が届いた。いままで私の仕事を撮影してくれているのは写真家の鈴木知之氏である。最近はパラレリズモという手法で、イタリアなど連続した街並みの写真を発表している。

門前仲町の住宅で外観写真を撮影するときにネックになったのは、建物前の電線である。鈴木氏はこの電線をレタッチソフトできれいに取り除いてくれた。1枚におよそ6時間かかった、という。そのおかげで上のような電線なしの写真に仕上がっている。
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by kurarc | 2013-04-20 09:31 | 門前仲町FM-House

ソーラーチムニー‎(ソーラー アップドラフト タワー)

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建築構造家、斉藤公男氏の著書『新しい建築のみかた』の中に、J・シュライヒ氏によるソーラーチムニーのプロジェクトが紹介されていた。いわゆる太陽光ではなく、太陽熱発電の仕組みである。

太陽熱を集めて熱風をつくり、地上1000mの塔へ集中させ、放出する。そのときに生ずる熱風によりタービンを回し、発電するという仕組み。

すでにスペイン、マンサナーレスの荒野にテストプラント(上写真)がつくられているという。このような発電計画を俯瞰すると、今後はむしろアフリカ、中国、中近東など広大な土地(砂漠など)をもつ国がこの太陽熱発電に適していることになる。

日本でもこのような仕組みは可能だが、やはりネックとなるのは地震(+雪)であろうか。
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by kurarc | 2013-04-18 21:19

ロングテールとデパート

ある商品を探しにデパートへ行った。一件目ではその商品を探しあてることができなかった。そして、2件目。同じく探し当てることができなかった。2件とも異なるデパートだったが、同じような商品の陳列。デパート同士で競い合っているのか?と疑わせるような商品の羅列。

アマゾンのようなロングテールと言われる商品を扱うオンラインストアが景気が良いというのもうなずける。デパートは個々の欲求を満たしてくれるような商品は陳列されていないのだ。第一にスペースの問題がある。欲望が細分化された現代においては、その欲望を満たす商品をいちいちそろえていたら、30階か40階建てのデパートが必要になるだろう。そういうデパートができたら興味深いが、そこまでやるような企業は現れない。

デパートがロングテールとしての商品を扱うことができないのなら、そこからコンセプトを練り直さなくてはならない。限られた場のなかで限られた商品をいかに効率よく販売するのか、また場をもつことの意味などオンラインストアでは不可能な販売方法を模索しなければならない。それは空間や場と人との交換の問題でもあり、きわめて建築的な問題のようにも思える。
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by kurarc | 2013-04-17 21:25

fragment/2013/04/15   曲線 

曲線

AP+BP=K(距離の和が一定) → 楕円
AP-BP = K ( 距離の差が一定 )→双曲線
AP×BP = K ( 距離の積が一定 ) → レムニスケート曲線
AP/BP=K (距離の商が一定) → アポロニウスの円

*トロハ研究所のパーゴラの曲線は、レムニスケート曲線による。

*レムニスケート(lemniscate)は、ペンダントのリボンの意。
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by kurarc | 2013-04-15 23:48 | fragment


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