ジョニー・グリーンウッドの映画音楽 映画『PHANTOM THREAD』

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イギリスのロックバンド、レディオヘッドのギタリスト、ジョニー・グリーンウッドが映画音楽を手がけたという『PHANTOM THREAD』を観る。

この映画、今まで感じたことのないようなテイストの映画であった。ラブストーリーの映画であるが、ただの恋愛ではない。結論から言ってしまえば、大人の恋の映画である。単純ではない。複雑なのである。ある部分、不気味ではあるが、後味は悪くない。

そして、この複雑な映画にグリーンウッドの音楽が冴え渡っている。わたしはもっと電子楽器を使用した映画音楽を想定していたが、まったく異なり、アコースティック中心の音楽であった。彼はクラシックも作曲することを最近知ったが、その才能はこの映画音楽で証明されたといってよい。感情に訴えかけながら、それがもっと心の奥深い場所に届くような音楽なのである。情動と理性、その両面をもった音楽といったらよいだろうか。

グリーンウッドがこのような音楽をつくるとは驚きである。レディオヘッドの音楽(アルバム『OK COMPUTER』)がロックを超え、すでにクラシックになった?と言われるのもうなずける。彼らの音楽づくりにグリーンウッドが大きな影響を与えていることは確かだろう。映画監督であるポール・トーマス・アンダーソンにも興味を持った。グリーンウッドが映画音楽を担当したあと二つの映画、『THERE WILL BE BLOOD』、『THE MASTER』も観ることにしよう。

by kurarc | 2020-07-06 22:38 | music(音楽)

しなやかな国家へ

世界はより民主化し、今以上に自由になる、なんとなくそのようなことを漠然と感じていたが、それはまったくの誤解であったようだ。今、アジアは大変な緊張を強いられる状況になってしまった。

日本の周辺の国々はどこも問題を抱えている。(もちろん、この日本も)隣国のことをことさら大げさに批判しようものなら、万が一、その隣国に旅に訪れた途端、空港で拘束(あるいは逮捕)されるような事態も想定しなければならないようなのだ。

わたしは遠い国ばかり旅をし、周辺国を旅することを怠っていた。やはり、実際、現地の状況を知るには、その国を直接旅し、その国の人と話すことがもっとも大切である。場合によっては、会う人によって偏見も生まれるが、インターネットや書物だけで得られる情報とは格段に異なる。しかし、すでに遅すぎた。隣国へは当面、旅することはできそうにない。

20世紀の亡霊のようなものが生き続けている、そんな感じである。実は、21世紀はまだ訪れていなかったのだ。

by kurarc | 2020-07-05 17:34

鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム

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昨日、お世話になっている鎌倉の経理事務所に用事があり、久しぶりに鎌倉を訪れた。天気が荒れていたこともあるが、観光客もまばらで静かであった。

あまり時間の余裕はなかったが、神奈川県立近代美術館の後にオープンした鎌倉文華館 鶴岡ミュージアムと鶴岡八幡宮へ足を運んだ。鎌倉文華館 鶴岡ミュージアムは、オープン以来初めて訪れた。ミュージアム裏にはカフェも新設され、随分と様変わりしていた。(鎌倉文華館はメンテナンス中で入場はできなかった)

白く塗装しなおした外観は、まさに「白い箱」の様相で、宙に浮かんでいるように見えた。わたしが記憶していたのは「くすんだ白い箱」であったことに気づかされた。

わたしは高校2年生の春、この神奈川県立近代美術館で開催されたピラネージという建築家、版画家であり考古学者の展覧会(版画展)を一人で見学したことが、最終的に建築を専攻しようと思ったきっかけをつくってくれた。よって、わたしにとってこの旧美術館は、大切な場所であった。残念ながら美術館はなくなったが、本館のみ残されたことは本当に喜ばしい出来事であった。鶴岡八幡宮の英断に感謝したい。

わたしはまだ未見だが、ピラネージの描いた理想都市の一つを実現したのは、ポルトガルのポンバル宰相であるといわれている。多分、アルキテクトゥーラ・ポンバリーナことだと思うが、わたしがポルトガルに滞在するようになったのも、ピラネージ版画展を見学したことと無縁ではなかったような気がしている。

高校2年の春、精神的に落ち込んでいたとき、わたしはピラネージの緻密な版画を見て力をもらったことを今でも忘れられない。それ以降、もう一度、旧美術館でピラネージの版画を見たかったが、それはかなわなかった。

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by kurarc | 2020-07-02 17:31 | 鎌倉-Kamakura